イラン治安当局、元大統領の娘ら拘束 衝突で10人が死亡

新S「くらべる一面」22日
日本経済新聞
　大統領選挙の開票に不正があったとして改革派のデモが続くイランで、治安当局が強硬姿勢に転じました。治安部隊との衝突で少なくとも10人が死亡、ラフサンジャニ元大統領の娘が拘束され、英ＢＢＣ放送のテヘラン支局長が国外追放の処分を受けました。米欧などでは改革派に呼応する抗議集会や要人の発言も相次いでいます。最高指導者ハメネイ師を頂点とする革命体制が強権によって事態を収拾するのか、さらなる混乱を招くのか。目が離せません。（田）
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イラン治安当局、元大統領の娘ら拘束　衝突で10人が死亡
　【テヘラン＝松尾博文】大統領選挙の結果に反発する改革派の抗議により混乱が続くイランで21日、治安当局が「抗議デモを扇動した」との理由からラフサンジャニ元大統領の娘らを拘束した。国営テレビによると、20日にテヘランで起きた改革派と治安部隊の衝突で改革派側10人が死亡。政府が強硬姿勢を鮮明にした形で、改革派が反発を強める可能性もある。情勢は一段と緊迫の度を増してきた。
　ファルス通信によると、元大統領の娘であるファエゼ・ハシェミさんを含む一族５人が拘束された。女性活動家として知られるファエゼさんは改革派の抗議デモで演説するなど、元大統領と改革派候補だったムサビ元首相をつなぐシンボル的な存在となっていた。
　元大統領は保守派に属しながらアハマディネジャド大統領と対立、改革派の抗議活動を支援しているとされる。治安当局は一族の拘束により元大統領に警告を与えると同時に、事態収拾へ強い姿勢を示そうと狙ったとみられる。 (NIKKEI NET　21日 22:14)