トヨタ「SAI」受注1万台突破 7~9月期最終黒字218億円 問題は補助金制度が終わる来年四月から

2009-11-06 | 社会

「SAI」受注1万台突破 トヨタ「プリウス」はV5
11月6日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
 トヨタ自動車が先月20日に先行予約を始めた新型ハイブリッド車(HV)「SAI」(サイ)の受注が、1万台を超えたことが5日、分かった。月間3000台の販売を目標にしていたが、半月で3カ月分を超える目標を達成した。トランクルームが後方に突き出すなど、伝統的なセダンの形が中高年層に受けたようだ。
 一方、10月の新車販売は、トヨタのHV「プリウス」が登録車、軽自動車を含めて5カ月連続の総合首位になることが分かった。ユーザーの環境志向を反映し、性能の高いHVの人気が改めて証明された格好だ。
 SAIは300万円台中心のHVで、12月7日に正式発売される。トヨタ関係者によると、SAIの受注は、10月末で約1万600台に達した。正式発売後の購入では、来年3月に切れる新車買い替え補助制度に納車が間に合わない可能性があるため、前倒しの注文も多かったとみられる。
 SAIより下の価格帯で200万円台が中心のプリウスは、10月の販売台数が2万6900台になることが分かった。9月に続き、車名別で首位になる。総合2位には約1万5400台売れたホンダの「フィット」(登録車)が浮上し、燃費のいい小型車人気を証明した。
 10月販売はこのほか、総合3位が2位から後退したスズキの「ワゴンR」(軽自動車)で約1万5100台。
 以下、4位がダイハツ工業「ムーヴ」(軽自動車)の約1万3000台、5位がトヨタ「ヴィッツ」(登録車)の1万2400台となった。
 日本自動車販売協会連合会(自販連)などによると、10月の新車販売台数(軽自動車を除く)は、HVによる牽引(けんいん)などで前年同月比12.6%増の26万3506台となり、大きく回復した。
 軽自動車は同8.9%減の13万2542台だった。
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トヨタ、7~9月期最終黒字218億円
 トヨタ自動車が5日発表した2009年7~9月期の連結決算(米国会計基準)は最終損益が218億円の黒字となった。前年同期に比べ84%減ったが、09年4~6月期の778億円の最終赤字から改善し、4四半期ぶりに黒字となった。各国の購入支援策で自動車販売が回復したほか、固定費削減や原価低減が寄与した。利ザヤ拡大など金融事業の収益改善も業績を押し上げた。
 売上高は4兆5415億円と前年同期比24%減。販売台数は172万台と同16%減ったが、4~6月期と比べ23%増加した。同日会見した一丸陽一郎副社長は「新型『プリウス』など環境車をそろえた強みを発揮した」と話した。
 営業損益は580億円の黒字と、4~6月期の1948億円の赤字から改善した。固定費削減など緊急収益改善策が想定を上回る成果をあげた。貸倒関連費用の低減で金融事業も好転。地域別の営業損益は日本を除く主要地域が黒字となった。(日経新聞2009/11/05)
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中日新聞【社説】F1撤退 この苦境をチャンスに
2009年11月6日
 トヨタ自動車が自動車レースF1からの撤退を表明した。ホンダに続く撤退で、日本勢が消えるのは残念だが、今後はF1で培った技術を存分に生かし、次世代の車づくりに取り組んでほしい。
 トヨタでモータースポーツを担当している山科忠専務は、記者会見で肩を震わせ、涙をにじませた。その姿は、F1撤退の悔しさを言葉以上に物語っていた。
 トヨタのF1参戦は二〇〇二年。百四十戦で十三回表彰台に上ったが、最高は二位。優勝を果たせず撤退することは、世界のトヨタには無念だろう。F1では日本の先駆者だったホンダも今季からレースに出ていない。モータースポーツファンにとっては、日本勢がいなくなる来季からのレースは寂しい光景だ。しかし、現在の経営環境を踏まえれば、両社のF1撤退は経営判断としては間違ってはいない。
 トヨタは五日、一〇年三月期連結業績予想を上方修正。営業赤字は三千五百億円と、従来予想より赤字が四千億円圧縮される見通しとなった。ホンダは営業利益予想を従来より千二百億円増の千九百億円に、一千億円の赤字を見込んでいた日産自動車は千二百億円の黒字に上方修正している。
 自動車不況は底を脱したかのようにみえる。しかし、本格回復への道はまだ遠い。国内販売はエコカー減税や買い替え促進の補助金制度に後押しされた面が大きい。欧米でも補助金制度が販売を下支えした。
 問題は、国内で補助金制度が終わる来年四月から。需要を先食いした反動で、販売が落ち込むことも予想される。米国では、新車買い替え支援策で八月の新車販売は前年を上回ったが、支援が終わった九月には再び前年割れとなった。同じことが国内でも起こる可能性は大きい。
 自動車メーカーが置かれた環境は依然として厳しい。であれば、年間五百億~六百億円の経費がかかるとされるF1からの撤退はやむを得ない。トヨタ、ホンダという世界的な企業といえども今は選択と集中のときだ。F1参戦で磨いた技術やチャレンジ精神を市販車に注いでほしい。
 モータリゼーションの扉を開いたT型フォードが誕生したのは一九〇八年。つまり車づくりは新しい世紀に入っている。電気自動車や燃料電池車は、車の概念まで変えるかもしれない。苦境のときだからこそ、各社には新世紀にふさわしい車づくりを期待したい。

新ハイブリッドSAI=トヨタ九州で11月開始. カローラ=減税対象に 1リットル0.4キロ燃費向上


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