大石亜矢子さんのコンサート 傍にはアイ・メイト(盲導犬)のセロシアちゃんがいつも一緒にいる

2010-01-31 | 日録

 昨日は、大石亜矢子さんのコンサートを聴きにいった。名古屋市博物館講堂。大石さんの傍にはアイメイト(盲導犬)のセロシアちゃんがいつも一緒にいる。
 昨年のコンサートでは、体調が良くなかったのか、声に力がなかった。いささかがっかりし、心配もしながら帰ってきたのだったが、昨日はしっかり声量だった。彼女の歌で、私にいつも涙が滲むのは、カッチーニのアヴェ・マリアである。彼女の指先(ピアノ)が音を発すると途端に私の目は潤む。胸がいっぱいになる。カッチーニのメロディの純一性、それが彼女の至高と言ってよいソプラノと響きあって、私を感動させる。
 昨日は、ステージの階段近く(最前列)に、盲人の女性と盲導犬(黒いレトリバー)、そしてお連れの女性がいた。
 コンサートでは、大石さんは、いつも盲導犬の仕事ぶりも披露なさる。階段の傍まで大石さんを導いたセロシアちゃんだったが、昨日は階段の傍で彼女の前にじっと立ち、降りるのを阻止する。いつまでも降りることが出来ないので大石さんが「あれれ、どうしたんでしょう。どうして降りてはいけないの?」。すると階段の下から盲人女性のお連れが「私どもの犬が階段の下にいるんです、盲導犬が。あちらの(向こうの、別の)階段を使ってください」。「わかりました」。
 セロシアちゃんは、盲導犬を障害物というふうに認識したのだろうか。いつも大石さんは私たちに言う。「犬は、真剣に仕事をしています。話しかけたり、触ったり、犬の気をひくことは、しないで下さい。私たちは、犬に命を預けて歩いています」。
 もう何年も大石さんの歌と人生に励まされてきた。あの明るさは、どこからくるのだろう。
 ありがとう。今年1月に入ってより体調の悪さに悩まされている私、とても慰められた。

『今日からは、あなたの盲導犬』(岩崎書店)


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