【 もう誰も関心を示さなくなったシリア 】 黒井文太郎

2013-10-15 | 国際

もう誰も関心を示さなくなったシリア
 ワールド&インテリジェン スジャーナリスト・黒井文太郎のブログ

                   

 シリアではもちろん今も殺戮が続いているわけですが、米軍の介入が消えた時点で、予想どおり人々の関心がなくなってしまったようです。化学兵器廃棄プロセスはすでに動き出していますが、そんな茶番と現実の殺戮が同時並行で進行するという不条理劇のような状況になってきています。
 それでも当方は半分当事者なので、今後もしつこくフォローしていきます。
 明日発売の『中央公論』と『軍事研究』にシリア問題に関して寄稿しました。
 中公は「シリア内戦と化学兵器」という特集内の「そして独裁者による殺戮は続く」と題したレポートです。 日本ではアサド政権の本質が理解されていない面が多いようなので、シリア国民の視点から、「問題は化学兵器ではなくて政府軍の無差別攻撃であること」「徹底した住民弾圧は独裁体制の必然であること」「反政府軍の主流は現地の有力者を中心に集まった自警団的部隊であること」等々を解説しました。
 同特集では他にも、久保文明氏、細谷雄一氏、池内恵氏による「アメリカが世界の警察官をやめた日」と題した座談会が必読。オバマ政権のシリア政策が主テーマですが、非常にバランスよくまとめられていて、たいへん勉強になりました。
 一方、軍研のほうは「化学兵器を国際管理下においてもアサドの殺戮が続くシリア内戦」と題したレオポートです。こちらは、アサド政権軍によるサリン使用⇒米軍の軍事介入準備⇒化学兵器管理と、この8月下旬から急展開しているシリア情勢の経緯の検証と今後の見通しを分析しています。
 ちなみに同号では、シリアとは関係ないですが、インテリジェンス関連で、阿部拓磨氏によるNSAの工作「プリズム」についての解説記事も必読です。
  2013/10/09(水) 18:36:40|
 *上記事の著作権は[ワールド&インテリジェンス]に帰属します
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