《コロナ禍》 環境破壊と関連 動物と人の生息域重複➡新たな共通感染症 2020/4/10

2020-04-10 | 社会

コロナ禍 環境破壊と関連     

 2020/4/10 中日新聞 特報

 世界各国で広がり続ける新型コロナウイルス。世界保健機関(WHO)によると、自然界ではコウモリを病原巣とする可能性が高い人獣共通感染症だという。環境保護団体や専門家は、ウイルスの人への伝播(でんぱ)は、気候変動や自然破壊なども大きく関係すると指摘する。このコロナ禍を機に環境破壊防止の重要性を考える。(片山夏子)

 厚生労働省のホームページによると、人に感染するコロナウイルスは七種あり、その一つが新型コロナウイルス。二〇〇二~〇三年に流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や、中東で発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」もコロナウイルスの一種で重篤な肺炎を起こし重症化しやすい。この二種と新型コロナウイルスは動物が感染源とみられており、一般的な風邪のコロナウイルス四種と異なる。

  
   センザンコウ=AP・共同 

 WHOと中国の専門家チームは二月末に報告書を発表。新型コロナウイルスは「動物が起源」と断定し、コウモリ由来のウイルスがセンザンコウなど別の動物を介して人に感染されたとみている。センザンコウは食材や漢方として中国・武漢市の海鮮市場で扱われており、当初市場から発生したとみられたが、今は市場以外との見方が有力だ。
 いずれにせよ、野生動物からの感染拡大だが、その背景には何があるのか。自然保護団体のNPO法人「エコロジーオンライン」の上岡裕理事長は、「今回の新型コロナウイルスのまん延は地球環境破壊が生み出した」と指摘する。どういうことなのか。

動物と人の生息域重複➡新たな共通感染症

 上岡氏は「英国の研究者の報告によると、空を飛ぶ唯一の哺乳類であるコウモリは、飛ぶ時に高熱状態になる。人間は高熱を出して病原菌を殺すが、ウイルスは宿主のコウモリに合わせて変異し、熱に強い種が残っていく」と言う。
 自然破壊によって、すむ場所を失った野生動物が餌を求めて人の住む町に近づいてきたり、希少種を食料や漢方として利用することで、人と動物が接触することになり、新たな「人獣共通感染症」が生まれると、説明する。
 また自然破壊による大きなストレスを抱える動物は、感染しやすい状態になっているという。「その感染症が人にうつり世界中に広がったのが、今回の大流行を生んだ基本的な構造。また温暖化が動物の生息域を北上させ、熱帯性の感染症が世界に広がるきっかけになっている」
 国際環境団体グリーンピース・ジャパンの城野千里さんも、温暖化による熱帯の感染症の北上を指摘する。城野さんは「北の永久凍土が解けることで未知のウイルスが発生する危険性も指摘されている。気候危機とウイルスまん延は大きな関連がある」と話す。
 その上で「気候危機はこの十年が正念場。コロナ対策は重要だが、それを理由に気候対策が後手に回れば、気候危機による豪雨、大型台風などで地球上の生命の存在は脅かされ続ける」と危惧する。
 東京大の山本良一名誉教授(環境経営学)も温暖化など気候の危機が、感染症拡大や熱中症による死亡など世界的な人間の健康問題につながっているとみる。
 その上で「新型コロナによる非常事態宣言によって日本を含む世界各国の人々がかなり厳しい行動変容を求められている。だが、感染症拡大の背景に気候変動を含む環境破壊がある。ならば、温暖化など同様に非常事態にある気候変動についても、世界中で大きな行動変容をすることが必要だ」。

 ◎上記事は[中日新聞 朝刊]からの書き写し(=来栖)


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