「母娘3人殺害事件」2審(広島高裁)も無罪 楢崎康英裁判長

2009-12-14 | 死刑/重刑/生命犯

元会社員、二審も無罪=「確実な証拠ない」-母娘3人殺害・広島高裁
 広島市西区で2001年、保険金目的で母親を絞殺し、家に放火して娘2人も焼死させたなどとして、殺人や詐欺などの罪に問われた元会社員中村国治被告(39)の控訴審判決が14日、広島高裁であった。楢崎康英裁判長は「状況証拠から被告に嫌疑を抱くこと自体は不合理ではないが、刑事裁判において、犯人であると認定できる有力かつ確実な証拠は存在しないと言わざるを得ない」と述べ、無罪(求刑死刑)とした一審広島地裁判決を支持し、検察側控訴を棄却した。
 最高裁によると1978年以降、再審事件を除き、死刑求刑に対し一、二審とも無罪が言い渡されたのは今回で3件目。これまでの2件はいずれも検察側が上告を断念し、無罪が確定している。
 楢崎裁判長は、被告の捜査段階の自白を「犯行と結び付ける唯一の証拠」とした上で、信用性などを検討。5リットル余りの灯油をまいて火を付けたと自白したのに、本人の衣服や火災直後に運転した車のハンドルに灯油が付着しておらず、殺人、放火の実行犯ではないのでは、という重大な疑問が生じるなどと指摘した。
 自白の内容を認めるような実の妹に対する手紙の存在などについても触れ、「不可解だが、犯行を具体的に述べているものではなく、裏付けがあって初めて信用できる。自白と切り離して、その信用性を判断するのも相当ではない」と述べた。(時事通信2009/12/14-21:10)

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100127150122.pdf
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http://www.courts.go.jp/yamaguchi/about/syotyo2/index.html
山口家庭裁判所長
楢崎康英( ならざきやすひで )
(生年月日 昭和24年1月19日)
(略歴)
昭和49年4月 大阪地裁判事補
その後,大阪家裁,鳥取地家裁米子支部,大阪地裁,金沢地裁,山口地家裁宇部支部,大阪高裁,岡山地裁(部総括),京都地裁(部総括),大阪高裁で勤務
平成18年7月 広島高裁(部総括)
平成21年9月28日 山口家庭裁判所長
(所長からのメッセージ)
 家庭裁判所は,離婚,相続などの家庭内の紛争や,非行を犯した少年の事件を専門的に取り扱う裁判所として,昭和24年1月に誕生し,今年,創設60周年を迎えました。創設以来,社会経済状況が大きく変化する中で,家族の状況や家庭を取り巻く環境も大きく変化し,それに合わせて,家裁の関係でも種々の法改正や新しい制度の導入がなされてきました。これらの法改正や新しく導入された制度も踏まえ,節目の年であることを思いつつ,適正な裁判を迅速に行い,適正な司法サービスを提供するよう努め,山口家庭裁判所が,ますます国民の皆様に利用しやすい存在となるようにしていきたいと考えています。

http://www.e-hoki.com/affairs/index.html


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