大森勝久死刑囚の抗告棄却 道庁爆破事件 弁護団が会見 2008/05/28

2008-05-28 | 死刑/重刑/生命犯

大森死刑囚の抗告棄却 道庁爆破事件 札幌高裁、新証拠認めず(05/28 14:05)
 死者二人、負傷者九十五人を出した一九七六年の道庁爆破事件で、殺人罪などに問われ死刑が確定した大森勝久死刑囚(58)=札幌拘置支所在監=の再審請求即時抗告審で、札幌高裁は二十八日、再審請求を退けた一審札幌地裁決定を支持、大森死刑囚の抗告を棄却した。死刑囚側は最高裁に特別抗告する方針。
 矢村宏裁判長は決定理由で「弁護人が提出した新証拠は、大森死刑囚に無罪を言い渡すべき明らかな証拠には当たらず、再審請求を棄却した地裁決定に誤りはない」との判断を示した。
 再審請求審の主な争点は、事件に使われた爆薬の原料となった除草剤の成分を、大森死刑囚の部屋から検出したとする道警鑑定の信ぴょう性。大森死刑囚は「事件当時、除草剤は入手していなかった」としている。
 即時抗告審で弁護側は、当時の鑑定にかかった時間を専門家に依頼して検証。その上で、「道警の報告書に記された時間内には終わらない」として、鑑定結果は捏造(ねつぞう)だと主張した。
 これに対し高裁決定は「弁護側の検証は、使用した器具や鑑定物の数などで前提を誤っており、鑑定を時間内に行うことは十分に可能」と判断した。
 大森死刑囚は公判では一貫して無実を主張したが、死刑判決が九四年に確定。二〇〇二年に初の再審請求を申し立てた。〇四年には、書面審理が中心の再審請求審では異例となる証人尋問も行われたが、一審札幌地裁は〇七年三月、請求を棄却。大森死刑囚が即時抗告していた。(北海道新聞)
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「納得できない」と批判 大森死刑囚の弁護団が会見
(05/28 19:59)
 北海道庁爆破事件の再審請求即時抗告審で、札幌高裁が大森勝久死刑囚(58)の再審開始を認めなかったことを受け、弁護団は28日午後、札幌市で会見し「到底納得できない」として、期限の6月2日までに最高裁に特別抗告することを明らかにした。 主任弁護人の浅野元広弁護士は、決定について「弁護団の主張を正しく理解せず安易に退け、証人尋問も行わなかった」と批判。 また「新旧両証拠の再評価を怠り、新証拠によって合理的疑いが生じることまで求めるのは再審の門を狭めるものだ」と述べ、再審の要件を緩和した1975年の「白鳥決定」に反し、判例違反だと主張した。 (北海道新聞)
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 2002/10/02 12:30 【共同通信】
死刑囚の再審請求に新証拠  北海道庁爆破事件で
 死者2人、重軽傷者95人を出した1976年3月の北海道庁爆破事件で、実行犯として殺人罪などに問われ死刑が確定し、再審請求中の大森勝久死刑囚(53)=岐阜県出身、札幌拘置支所に在監中=の弁護団は2日、北海道警が行った鑑定を疑問とする実験結果など新証拠23点を、再審請求補充書と併せて札幌地裁に提出した。  公判では、爆弾の材料の除草剤を大森死刑囚が持っていたかが大きな争点となったが、道警は大森死刑囚が捨てたカーテンなどを鑑定し、除草剤の成分とみられる塩素酸イオンを検出。これが死刑判決の決め手の1つとなった。  しかし、弁護団が鑑定をできる限り忠実に再現した結果、公判で明らかになった短時間での検出は難しく、「鑑定が実施されたかどうかすらが疑わしい」との結論に達したという。
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 2002/07/30 10:43  【共同通信】
大森死刑囚が再審請求  北海道庁爆破事件
 死者2人、重軽傷者95人を出した1976年3月の北海道庁爆破事件の実行行為者として殺人罪などに問われ、死刑が確定した岐阜県出身の大森勝久死刑囚(52)が30日、札幌地裁に再審請求を申し立てた。  大森死刑囚は犯行を否認したが、札幌地裁は83年3月、死刑判決を言い渡し、札幌高裁もこれを支持。94年7月に最高裁が上告を棄却し死刑が確定した。  大森死刑囚はその後も無実を訴え1、2審で弁護人を務めた八重樫和裕弁護士=旭川弁護士会所属=の呼びかけに応え、計9人の弁護団が2000年10月ごろから、再審請求に向け検討を始めていた。  弁護団は1審判決について「自白や直接の物証がなく、状況証拠だけに基づいている」と批判。特に、大森死刑囚が爆弾の製造に欠かせない塩素酸塩系の除草剤を持っていた証拠とされた鑑定について、「実際に行われたのかどうかも含め、重大な疑問が残っている」としている。
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