日米、関係強化し中国牽制 集団的自衛権・日本版NSCを推進へ 外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)

2013-10-04 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

日米、関係強化し中国牽制 集団的自衛権・日本版NSCを推進へ
 The Huffington Post  |  投稿日: 2013年10月04日 06時22分 JST  |  更新: 2013年10月04日 06時23分 JST
 10月3日、東京都内で日米の外務・防衛閣僚が会合を開き、日米同盟における防衛の方針を見直すことで合意した。尖閣諸島周辺での海洋活動をはじめ、軍事面で台頭する中国への対応が最大の目的。方針の見直しは16年ぶりとなる。

 日米両政府は3日、東京都内で外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開き、日本と周辺の有事での自衛隊と米軍の役割分担などを定めた日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を2014年末までに見直すことで正式に合意した。急速な軍事力強化を進める中国に対し、透明性を向上させるよう促すことでも一致した。
(朝日新聞デジタル「防衛指針見直し合意 日米2プラス2 中国の脅威も指摘」より 2013/10/03 22:57)

 会議には日本から岸田外務大臣と小野寺防衛大臣、アメリカからケリー国務長官とヘーゲル国防長官が出席した。会議後に公開された共同発表では、日米安保の取り組みの強化という大前提を再度確認した上で、
• 国家安全保障会議(NSC)設置及び国家安全保障戦略(NSS)策定の準備
• 集団的自衛権の行使に関する事項を含む安全保障の法的基盤の再検討
• 防衛予算の増額
• 防衛大綱の見直し
• 防衛力の強化
といった、安倍政権が目指す防衛政策を明記。これに、アメリカが「お墨付き」を与え歓迎する形となった。これまでのガイドラインにおける日本の役割は「後方支援」だったが、高まる中国の圧力を背景に、日本も「前線」で貢献することをアメリカから求められている。

 ケリー氏は会合で、尖閣が日米安全保障条約の適用対象であると改めて明言。記者会見で「挑戦するような行動をとるのではなく対話と外交で解決すべきだ」と強調した。岸田氏は、国家安全保障会議(日本版NSC)設置や防衛計画の大綱改定などの取り組みを説明。米側は「歓迎」した。
(MSN産経ニュース「【日米2プラス2】中国に「規範順守」要求 米は「積極的平和主義」評価」より 2013/10/04 00:12)

 対中国を想定したガイドライン見直しを防衛省幹部が評価したと時事通信は報じている。

 「日米で全て思惑が一致することはない。われわれとして取るべきものは取れた」。防衛省幹部はこう話し、対中けん制という面でガイドライン見直しの意義は大きいとの認識を示した。
(時事ドットコム「集団自衛権論議が鍵=ガイドライン見直し-日米2プラス2」より 2013/10/03 22:56)

 一方で米国内には、日本の憲法改正に反対する韓国への配慮を求める声もある。

 日中、日韓関係の悪化をにらみ、憲法改正に関して「地域各国の耳にどう響くか細心の注意を払うべきだ」(元米高官)と慎重な議論を求める声も根強い。米側には、集団的自衛権の行使容認、敵基地攻撃能力の保有といった安保政策の一大転換を経た日本の防衛政策の全体像が明らかになる前に、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の再改定作業を進めることへのためらいもみられる。
(時事ドットコム「同盟の将来像、不透明=米、集団的自衛権の評価定まらず-2プラス2」より 2013/10/03 18:20)

 日本国内でも集団的自衛権の行使をめぐって、与党の公明党が政府を牽制しており、政府に課せられた「宿題」は重い。

 公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は「集団的自衛権を包括的に認めれば地球の裏側にも行けるが、これまでの平和国家としての生き方とは随分違う」と懸念を表明。「集団的自衛権を持ち出さなくても個別的自衛権で対応できる余地がある」と述べ、憲法解釈の変更に慎重な対応を求めた。
(朝日新聞デジタル「「地球の裏側」行ける? 集団的自衛権巡り自公民が激論」より 2013/09/26 23:01)

 この発表を受けて、中国もすぐに反応。国営通信新華社が懸念を示している。

 記事は、集団的自衛権行使容認の検討を米側が歓迎したことなどを挙げ、「日米は防衛協力をさらに強化し、軍事上の一体化のレベルを引き上げた」とし、「日米同盟は危険な道を突き進んでいる」と強調した。
(MSN産経ニュース「【日米2プラス2】中国新華社「危険な信号を発信」と同盟強化を警戒」より 2013/10/03 01:00)

 *上記事の著作権は[The Huffington Post]に帰属します
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日本版NSCと特定秘密保護、特別委で法案審議
 読売新聞 10月4日(金)9時20分配信
 安倍首相は3日、首相官邸で自民党の石破幹事長と会談し、外交・安全保障の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)設置の関連法案と、機密情報を外部に漏らした国家公務員への罰則を強化する特定秘密保護法案を審議する特別委員会を設置するよう指示した。
 政府・与党は臨時国会を今月15日に召集し、会期を12月6日までの53日間とする方針。特別委設置は、安全保障政策の柱と位置づける両法案を集中的に審議する狙いがある。
 首相は石破氏との会談で、「日本版NSCと安保情報の保護は重要な課題。法案を早期に成立させるべきだ」と述べた。週2日程度の定例日のある常任委員会と異なり、特別委では連日の審議が可能になる。この日の指示は、両法案の成立にかける首相の強い思いを示したものだ。
 最終更新:10月4日(金)9時20分
 *上記事の著作権は[Yahoo!JAPAN ニュース]に帰属します
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【日米2プラス2】中国に「規範順守」要求 米は「積極的平和主義」評価
 産経ニュース2013.10.4 00:12
 日米両政府は3日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を都内で開き、海洋進出を強める中国に「国際的な行動規範の順守」や軍事面の透明性向上を求めることで合意した。中国や北朝鮮への対応を念頭に、自衛隊と米軍の役割分担を定めた日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を平成26年末までに再改定することも確認。米側は集団的自衛権行使容認に向けた検討など安倍晋三首相の「積極的平和主義」を評価した。
 2プラス2の日本開催は8年以来17年ぶり。今回は岸田文雄外相と小野寺五典防衛相、ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官が出席。閣僚4氏はそろって記者会見し、合意事項を盛り込んだ共同文書を発表した。
 共同文書では、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で領海侵入を繰り返していることを念頭に「海洋における力による安定を損ねる行動」を批判。中国を名指しした上で「地域の安定や繁栄に責任ある建設的な役割を果たし、軍事近代化に関する透明性の向上を促す」と明記した。
 ケリー氏は会合で、尖閣が日米安全保障条約の適用対象であると改めて明言。記者会見で「挑戦するような行動をとるのではなく対話と外交で解決すべきだ」と強調した。岸田氏は、国家安全保障会議(日本版NSC)設置や防衛計画の大綱改定などの取り組みを説明。米側は「歓迎」した。
 沖縄県の負担軽減策として、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ訓練の県外・国外移転を進めることで一致。在沖米海兵隊のグアム移転を2020年代前半に始めることも確認した。
 宇宙・サイバー空間での日米協力を強調し、合意文書に「新たな戦略的領域を含め、軍事力を強化する」と明記。また、高度な能力の日本配備」として、米軍がP8哨戒機を今年12月、無人偵察機グローバルホークを平成26年春、ステルス戦闘機F35Bを29年から、それぞれ配備・展開する。
 ケリー、ヘーゲル両氏は協議後、安倍晋三首相と首相官邸で会談した。首相は「積極的平和主義を評価していただいたことは極めて有意義だ」と述べた。
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 発表された共同文書の要旨は次の通り。
 【概観】日米は、同盟をよりバランスの取れた、より実効的なものとし、両国が十全なパートナーとなることを決意。米国は、地域および世界の平和と安全に対し、より積極的に貢献するとの日本の決意を歓迎する。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の代替施設建設や米海兵隊のグアム移転を含め、在日米軍再編に関する合意を完遂する。
 日本は、日米同盟における日本の役割を拡大するため、米国との緊密な調整を継続。国家安全保障会議(日本版NSC)設置や国家安全保障戦略(NSS)策定、集団的自衛権の行使容認の検討、防衛予算の増額、防衛計画の大綱(防衛大綱)の見直しを行っており、米国はこれらの取り組みを歓迎する。
 北朝鮮の核・ミサイル計画や人道上の懸念、海洋での力による安定を損ねる行動、宇宙やサイバー空間での攪乱(かくらん)をもたらす活動など、新たな脅威や国際的な規範への挑戦に同盟が対処するため、引き続き十分用意する。中国に対し、責任ある建設的な役割を果たすことや、国際的な行動規範の順守、軍事上の透明性向上を促す。
 【2国間の防衛協力】日米防衛協力指針(ガイドライン)の再改定作業を平成26年末までに完了。弾道ミサイル防衛(BMD)協力を拡大し、2基目のXバンドレーダーの配備先を航空自衛隊経ケ岬分屯基地に選定することを再確認する。日米で設置した情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動の作業部会を歓迎する。南西諸島での自衛隊の態勢強化のため、施設の共同使用を進める。
 【在日米軍再編】米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古沿岸部への移設が唯一の解決策だとする強い意思表示を再確認。米国は日本政府による辺野古沖の埋め立て申請を歓迎する。米軍訓練海域「ホテル・ホテル」の航行制限を11月末までに緩和し、返還予定の米軍施設や区域への立ち入り制限も11月末までに緩和。
 米軍厚木基地からの空母艦載機の岩国基地移駐は平成29年頃までに完了。在沖米海兵隊グアム移転は2020年代前半に開始する。
 *上記事の著作権は[産経ニュース]に帰属します
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集団的自衛権の行使容認問題 「地球の裏側」論 本質をそらす言葉遊びだ 2013-09-22 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉 
 【主張】「地球の裏側」論 本質をそらす言葉遊びだ
 産経新聞2013.9.22 03:15
 不毛な言葉遊びにエネルギーを費やしていては困る。
 集団的自衛権の行使容認問題で、自衛隊が「地球の裏側」まで行くか否かという、表現をめぐる論争が政府自民党などで起きている。
 自民党の高村正彦副総裁らは「地球の裏側に行くようなことは許されない」と主張している。これに対し、高見沢将林(のぶしげ)官房副長官補が自民党の会合で、地球の裏側に行くことも必ずしも否定されないとの見解を示した。
 高村、高見沢両氏は、集団的自衛権の行使が日本の国益や安全を守るために必要であることを前提に発言している。
 「地球の裏側」とは、日本の国益などに無関係の地域にまで自衛隊を送り、武力行使を行うものではないという、あくまでもたとえと考えるべきだろう。高見沢氏は「関係もないのに米国が行くからついて行くものではない」とも説明している。
 一方、行使容認に反対する側は「地球の裏側まで行って、日本は米軍に追従して世界で戦争するのか」などと懸念を提起している。避けなければならないのは、行使容認を否定、阻止するための宣伝にこの論争が使われ、問題の本質がすり替えられることだ。
 核・弾道ミサイル開発を強行する北朝鮮や、軍拡を進める中国の台頭によって、日本周辺の安全保障環境は急速に悪化している。集団的自衛権の行使容認は、日米同盟を強化し、抑止力を高めるために不可欠なものだ。
 だが、経済的な相互依存関係の深化や科学技術の発展で世界はますます狭くなっている。遠く離れた地域の出来事が、日本に大きな影響を与えることを考えておくのは当然だろう。
 政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」でも、中東などからのエネルギーの安定供給をにらみ、シーレーン(海上交通路)の安全確保が論じられている。日本から約1万2千キロのソマリア沖アデン湾での自衛隊による海賊対処活動は、国益を守るために必要だからこそ続けられている。
 国民の理解を得るため、集団的自衛権の行使の条件、手続きなどをあらかじめ考えるのは当然だ。行使容認に慎重な側も、言葉遊びに熱中するのではなく、事の本質を論じてほしい。
 *上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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