東北楽天・野村監督退団=この選択が吉と出るか、凶と出るか

2009-12-29 | 相撲・野球・・・など
社説:視点 野村監督退団 地域密着決意の表れ=中島章隆
 「楽天イーグルスは好きだが、楽天球団は大嫌い」
 今季限りで東北楽天を退団した野村克也前監督が近著「あ~ぁ、楽天イーグルス」(角川書店)で書いている。
 球団創設5年目、お荷物球団と言われ続けた楽天は今季ペナントレースを過去最高の2位で終え、初めてクライマックスシリーズ(CS)に駒を進めた。就任4年目の球界最年長監督、野村氏の手腕が大きかった。
 エース岩隈投手と「マー君」こと田中投手の2枚看板が投手の柱となり、打線もベテラン山崎選手や首位打者・鉄平選手らが野村氏の指導で見違えるほどの働きを見せた。
 野村氏の功績は、弱小チームを強くしただけではない。チームが勝っても負けても、試合後の「ぼやき」が楽天の売り物にもなっていた。野村氏がこの1年、メディアに露出した時間やスペースを広告費に換算すると300億円に達するという。根拠は不明だが、まあそんなものかとも思える数字だ。
 もともと野村氏は3年契約で、昨シーズンで契約は終了するはずだった。ところが一昨年、昨年と「Aクラス」が手の届くところまで来て、1年限定で契約を延長していた。球団からすれば野村氏の今季限りの退団は予定通りで、約束違反でもなんでもない。
 ところが通告のタイミングが悪すぎた。チームはリーグ優勝こそ逃したものの、初めて出場するCSを勝ち進めば日本一の可能性も残されていた。半世紀以上プロ野球の世界に身を置いてきた野村氏には「常識はずれ」で「人情を解さない」措置にしか映らなかったようだ。野村氏が「大嫌い」になるのも、もっともな話だ。
 球団が野村氏や全国の野村ファンの反発を予想しなかったとは思えない。それでもあえて最大の功労者を「仕分け」した背景に何があったのか。
 大物監督の高年俸はネックになっただろうし、現場に口出しをする夫人の存在に嫌気がさしたという話も伝わる。だが、球界参入から5年。球団フロントもプロ野球ビジネスに理解と自信を深めただろう。ひとまず「全国区」の夢を捨て、地域密着型の身の丈に見合った球団経営に乗り出す決意の表れという見方もできるのではないか。
 若者のテレビ離れが進み、かつての巨人戦の放映料頼みの経営は通用しない。プロ野球そのものがファンから「仕分け」されかねない危機を迎えている。あえて全国区の人気監督を仕分けした楽天球団。さてこの選択が吉と出るか、凶と出るか。毎日新聞2009年12月28日
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自民党:党大会ゲストにノムさん 「再生」託す?
 自民党が来年1月24日の党大会に、プロ野球・東北楽天イーグルスの野村克也前監督をゲストとして招くことになった。野村氏は、他球団で戦力外になった選手を主力としてよみがえらせる「野村再生工場」の名で知られる。その豊富な経験を語ってもらい、話題作りもかねて党「再生」のゲンかつぎにしようというのが自民党の狙いだ。ただ、来年も党勢が上向かなければ、野村氏の格好のぼやきネタにされるおそれもなしとしない。
 野村氏と親交のある二階俊博前選対局長が出席を打診したところ、快諾されたという。これを受け、自民党は25日に党大会準備会合を開き、日本経団連の御手洗冨士夫会長らとともに、野村氏を招くことを決めた。
 8月の衆院選で大敗した自民党は、野党への転落、政党交付金の減額により、懐具合が苦しい。このため、党大会も例年より規模を縮小する。それだけに党関係者は、野村氏が弱小チームだった楽天を優勝戦線に絡むところまで育て上げたことを念頭に「ノムさんから激励を受けて、自民党再起への景気づけとしたい。世間の話題にもなるだろう」と期待を寄せる。
 ちなみに、野村氏の妻、沙知代氏は96年の衆院選に当時の小沢一郎新進党党首(現民主党幹事長)の要請で東京5区から立候補し、落選した因縁がある。【木下訓明】毎日新聞2009年12月26日

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