栃木・旧今市市 7歳女児殺害事件、被告の男に無期懲役の判決
栃木県の旧今市市で、吉田有希ちゃん(当時7)が連れ去られ殺害された事件の裁判員裁判で、無期懲役を求刑された被告の男に求刑通り無期懲役の判決が言い渡されました。宇都宮地裁前から報告です。
勝又被告に求刑通り無期懲役の判決が言い渡されました。判決の瞬間、勝又被告は傍聴席に対して背中を向けていたのですが、裁判長から「判決を言い渡します」と言われたところ、「はい」と答えていました。
鹿沼市の無職・勝又拓哉被告(33)は2005年12月、茨城県の山中で吉田有希ちゃんを殺害した罪に問われましたが、弁護側は最終弁論で「被告が犯人であることを示す証拠は、自白を除いて、ないに等しい」と無罪を主張していました。勝又被告も6日と7日、JNNの単独取材で有希ちゃんを殺害していないと話し、「自白しなかったら死刑になる、と警察官に言われた」などと自白を強要されたと語りました。
一方、検察側は勝又被告が自白したとされる取り調べの映像を7時間以上にわたって法廷で再生し、自白は強要されたものではないと主張。裁判所が取り調べ映像の自白調書を証拠として採用していました。
また、検察側は勝又被告が自宅と遺体の遺棄現場方面を往復したとするNシステムの記録も提出するなど、異例の手段も取り無期懲役を求刑していました。凶器や遺留品などの決定的な物的証拠がなく、難しい判断を迫られる裁判でしたが、裁判員らは自白の信用性があると判断したとみられます。(08日15:09)
◎上記事は[TBS News]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
私の印象として、勝又拓哉被告は殺害行為に及んでいると思っていたので、「有罪」認定は首肯できる。ただ、求刑通り「無期」というのは、物証が無い(証拠隠滅で難しい)中、可なり思いきった量刑、と些かびっくり。
今後のことで憂慮する点。取調べ段階での自白強要は、あってはならない。可視化も、しっかりなされなければならない。
「疑わしきは被告人の利益に」というが、真相解明こそが重要だ。すべては、人が人として生きるためにある。
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◇ 今市 吉田有希ちゃん殺害事件 勝又拓哉被告 審理は22日を残すのみ 論告求刑公判2016/3/22に
【今市事件裁判員裁判】22日に論告求刑公判 自白信用性などが争点
下野新聞 3月21日 朝刊
2005年、吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件で、殺人罪に問われた鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(33)の宇都宮地裁(松原里美(まつばらさとみ)裁判長)の裁判員裁判は、3週目(14~18日)を終えた。地裁は殺害自白の「任意性」を認め、自白調書の証拠採用を決定。焦点は自白の「信用性」や状況証拠の判断に移る。22日には論告求刑、弁護側の最終弁論が行われ、15日間の審理が終了する。
「有希ちゃんを殺したのは君だね」「…はい」。15日の第11回公判で再生された14年6月11日の阿部健一(あべけんいち)検事による調べ映像。
裁判で任意性が争われたのは、この阿部検事に対する自白内容だ。弁護側は、阿部検事に先行して行われた別の検事や警察官の調べも問題視。「長期間の身柄拘束や威圧的取り調べで自由にものを言えなくなっていた」として、調書の採用を反対していた。
14日の公判では、違法性を指摘された警察官3人が出廷。被告が証言した平手打ちや被害者への謝罪の強要、利益誘導の発言をいずれも強く否定した。
18日の公判の冒頭、松原裁判長は調書について「採用することにして、取り調べます」と決定。理由の説明はなかった。
被害者参加制度によって公判を見守ってきた有希ちゃんの父親と祖母の意見も朗読された。情状証人の伯母は、昨年亡くなった母親の思いも代弁した。
有力な物証がない中、自白の任意性が認められたことから、今後は自白の信用性が大きな争点となる。
審理は22日を残すのみ。検察側の論告求刑の後、遺族の代理人弁護士が意見と求刑を述べるとみられ、弁護側は無罪を訴える。
◎上記事は[下野新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2016.3.21 Mon 〉
>有力な物証がない
証拠隠滅に要する周到さと時間があった・・・。
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