大相撲がある夏 名古屋場所
裏方 綱取り支える
2 呼び出し 照矢
中日新聞 2021年6月30日
力士の名を呼び上げ、取組の進行を支える呼び出し。名古屋市南区出身で入門21年目の照矢(38)=てるや、本名近藤大督(だいすけ)、伊勢ケ浜部屋=は「子どものころから関わっている特別な場所。楽しみですね」。2年ぶりとなる地元での本場所に心を躍らせる。
名古屋場所との接点は、小学生時代までさかのぼる。自宅近くの寺院に毎夏、間垣部屋が宿舎を構えた。大男たちが短時間で白黒をつける世界に引かれ、登校前に朝稽古見学に足しげく通った。その後も見学を続け、本場所の会場にも足を運んだ。
力士たちとも親交を深め、「お相撲さんに近いところで仕事をしたい」と考えるようになった。自分も力士になりたいと憧れるのではなく、あくまでファンの目線。裏方での角界入りを決意し、高校卒業後に定員の空きがあった呼び出しで間垣部屋へ入門。部屋の閉鎖を受け、伊勢ケ浜部屋に移籍して8年がたった。
呼び出しの定員は45人。その業務は多岐にわたる。本場所が近づくと、土を押し固めて土俵をつくる。地方場所では、一門の部屋の宿舎の土俵も手掛ける。場所中は呼び上げのほかにも、懸賞幕を持って土俵を一周し、力水の入ったおけを管理する。取組前後には一番太鼓と跳ね太鼓を打ち鳴らす。さまざまな仕事をローテーションで分担している。
仕事に誇りを持つ一方で、「主役はお相撲さん。僕は裏方なので」と立ち位置を受け止める。お客さんに見てほしいのは、土俵でぶつかり合う力士たち。ファンとして大相撲に接し始め、その気持ちを忘れていない。
昨夏は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、特に思い入れが深い名古屋場所が東京開催に変更された。「寂しかった。周りの人たちも残念がっていた」と振り返る。2年ぶりに名古屋で過ごす今夏は、今までにない楽しみもある。一緒に間垣部屋から移籍した間柄の大関照ノ富士が、初の綱取りに挑戦。「相撲好きの夢を全部かなえてくれる存在。けがには気を付けてほしい」。ファンと共に新横綱誕生に期待を寄せながら、熱戦の舞台を支えていく。 (吉岡雅幸)
◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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〈来栖の独白 2021.6.30 Wednes〉
場所中は、ほぼ毎日テレビで観戦する私。17時からの1時間ほどだが。見る楽しみは、いくつもある。例えば、行司さんたちの装束。金糸銀糸の、実に豪華な装束。能楽堂(能・狂言の装束)までも思い出させ、流石、国技であると感じさせる。
徹底した力士の序列。礼儀正しく、整然とした中で熱い取り組みが行われる。
それにしても「呼び出し」さんの声もその場を引き締めてすばらしい。上記事によれば、その業務は「呼び出し」だけでなく、土俵をつくるのも、呼び出しさんの仕事とは、驚いた。
楽しみな2週間が、間近に迫っている。
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* 「大相撲がある夏」 名古屋場所 2021.7.4 開始