再稼働ありき 経産省主導の誤り/危険が大きい浜岡だけを止めて国民の目をそらし、他の原発再稼働へ導く

2012-04-12 | 政治

“再稼働ありき” 経産省主導という誤り
中日新聞《社説》2012年4月12日
 “再稼働ありき”。経済産業省のシナリオ通りに、ことは進んできたのだろうか。本来、科学的な判断を要する原発の安全が役人の手中にあったようだ。だとすれば、国民の安全がとても危うい。
 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の全面停止をめぐり、激しい主導権争いを展開した官邸と経産省。本紙の取材で、その内実が浮かび上がってきた。
 地震の危険が大きい浜岡だけを止めて国民の目をそらし、他の原発を再稼働へ導く経産省のシナリオは、東日本大震災の発生からわずか二カ月足らずで作られていた。
 浜岡原発は東海地震の想定震源域の真ん中にあり、東日本大震災以前から「世界でも最も危険な原発」との指摘を受けていた。
 そのうえ、中部電力は東京電力や関西電力に比べて原発依存度が低い。浜岡は「止めやすい原発」でもあった。
 首都圏住民三千万人の避難。政府原子力委員会の近藤駿介委員長が描いた東電福島第一原発事故「最悪のシナリオ」が官邸に大きな衝撃を与えたのは確かだろう。東京と名古屋に挟まれた浜岡で事故が起これば、影響は福島の比ではない。それでも、経産省のシナリオの中で安全への配慮が最優先されたとは言い難い。
 脱原発による影響力の低下を避けたい経産省と、浜岡停止の功績で政権浮揚をもくろむ官邸の思惑、そして電力会社の利害が一致して、国民の安全とは無関係に舞台は回り続けてきたようだ。
 そして今、原発ゼロ社会到来の瀬戸際で、大飯原発3、4号機再稼働の可否が首相と関係三閣僚の協議に委ねられている。舞台裏では、電力業界との結び付きが強いとされる仙谷由人党政調会長代行らのグループが振り付けを担っているという。
 問題は浜岡や原発立地地域だけにとどまらない。国民の生命や未来にかかわる重大事が省益争いや政権の人気取りの材料におとしめられた感がある。そもそも福島第一原発事故の原因をつくった経産省や原子力安全・保安院に安全を評価する資格はない。安全不在のまま役所のシナリオ通りに大飯原発の再稼働に動いていいのだろうか。
 結論ありきの筋書き自体が当然ながら、あってはならないものである。このままでは、夏までに示される政府の新たなエネルギー基本計画までも、疑いの目で見られてしまう。
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浜岡停止舞台裏 経産省と当時の菅直人首相ら官邸が激しい主導権争い 2012-04-11 | 地震/原発/政治 
 他の原発再稼働布石に 浜岡停止舞台裏で経産省 官邸反発 発表を阻止
中日新聞2012年4月11日 朝刊
 昨年五月六日に中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の全面停止を要請した政府の対応をめぐり、経済産業省と当時の菅直人首相ら官邸が激しい主導権争いをしていた。経産省は当初、浜岡停止と引き換えに他の原発の再稼働を画策。官邸側はこれに反発し、経産省の発表を直前に見送り、首相自らが会見する異例の展開をたどっていたことが関係者の証言から分かった。
 本紙は浜岡原発の停止に関わった閣僚や官邸のメンバー、経産官僚から話を聞いた。
 証言を総合すると、停止は当時の海江田万里経産相が昨年四月二十八日、松永和夫次官に「浜岡を止めた場合の影響を検討してみてくれ」と指示したのがきっかけ。松永氏は「浜岡を止めて、他の原発を立ち上げるシナリオを詰めてみたい」と応じた。
 福島第一原発事故で、東海地震の震源域に立つ浜岡は地震や津波への危険性が指摘されていた。夏場の電力不足を懸念していた経産省は浜岡を停止することで国民感情を和らげ、他の原発を再稼働させる狙いだった。
 浜岡停止は、省内で極秘に進められた。現行法では事故や不祥事のない原発を止めることができず、大臣の行政指導で対応することが決まった。経産相が浜岡の現地視察を経て五月六日午後四時に発表することになったが、官邸には当日まで伝えなかった。
 菅首相が経産省の意向を聞いたのは発表の三時間前。首相は浜岡の停止には賛成したが「法律で何とかできないのか」など行政指導に難色を示し、四時の発表は見送られた。
 その後、総理執務室で再び会議が開かれ、経産省幹部や枝野幸男官房長官、仙谷由人副長官ら官邸の主要メンバー二十人以上が出席。首相は「おれが会見する」と発言し、主導権を握った。
 官邸側は、経産省の発表では他の原発の再稼働を容認することになりかねないと警戒。経産省が事前に作った発表文を見た福山哲郎官房副長官は「(他の)原発を動かすというメッセージ」と漏らした。官邸に知らせず、独自で計画を進めていたことにも不信感を抱いたという。
 菅首相は午後七時十分に記者会見。浜岡3号機の再稼働見送りと運転中の4、5号機の停止を中電に要請したことを述べたが、他の原発には触れなかった。
 中電は要請を受け入れ、会見から八日後の昨年五月十四日、浜岡が全面停止した。
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国税局、消費税増税反対の最右翼「中日・東京新聞」を徹底調査/ 輿石東幹事長、メディアに「電波止めるぞ」 2012-03-13 | メディア 
 国税が東京新聞を徹底調査する「理由」
現代ビジネス「永田町ディープスロート」2012年03月13日(火)
 通常国会で消費税増税についての論戦が本格化するなか、永田町と目と鼻の先にある日比谷公園前のビルでは、まったく別の緊張感高まる事態が起きていた。
「昨年夏から半年近くもの長きにわたって、中日新聞グループに名古屋国税局と東京国税局を中心とした大規模な税務調査が入っています。そうした中で東京新聞(中日新聞東京本社)が税務調査に入っている国税官から資料分析のために一部屋要求されたため、一部の社員の間では、東京での〝本格調査〟が行われるのではと緊張が走ったようです」(同社関係者)
 複数の同社関係者によると、今回の国税当局の徹底調査ぶりは異常で、同社記者らが取材相手との「打ち合わせ」や「取材懇談」に使った飲食費を経費処理した領収書を大量に漁り、社員同士で飲み食いしていた事例がないかなどをしらみつぶしに調べているという。
「実際に取材相手と飲食したのかどうか飲食店まで確認が及び、名古屋ではすでに社員同士で飲み食いしていた事例が見つかったようだ。一方で『これでは取材源の秘匿が危機にさらされる』と一部では問題視されてもいる」(同前)
 ここ数年、大手紙のほか、民放各局、出版社などが相次いで国税の税務調査を受けていることから、「たんに順番が回ってきただけ」と意に介さない向きもあるが、
「中日新聞グループは、野田政権がおし進める消費税増税に対して反対の論陣をはる最右翼。今回の徹底調査の裏には、国税=財務省側の『牽制球』『嫌がらせ』の意図が透けて見える」
 との見方も出ている。
 事実、中日・東京新聞は「野田改造内閣が発足 増税前にやるべきこと」(1月14日)、「出先機関改革 実現なくして増税なし」(1月30日)などの見出しで社説を展開、「予算が足りず、消費税率を引き上げると言われても、死力を尽くした後でなければ、納得がいかない」などと強く主張し、新規の読者も増やしてきた。それが今回の国税側の〝徹底攻撃〟で、筆を曲げることにならないといいのだが。
『週刊現代』2012年3月17日号より
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中日・東京新聞はかつてなく充実している/「他紙が何を書こうが我々は我々の道を行く」腹をくくったようだ 2012-04-04 | メディア 


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