4人に青酸「死刑、覚悟できている」青酸連続殺人事件 筧千佐子被告が記者に心境 2019/2/21

2019-02-21 | 死刑/重刑/生命犯

「4人に青酸」「死刑、覚悟できている」青酸連続殺人の筧千佐子被告が記者に心境
2019/2/21(木) 19:00配信 毎日新聞
 近畿3府県で起きた青酸化合物による連続殺人事件で、高齢男性4人に対する殺人と強盗殺人未遂罪に問われ、1審・京都地裁で死刑を言い渡された筧(かけひ)千佐子被告(72)の控訴審が3月1日、大阪高裁で始まる。筧被告は大阪拘置所で毎日新聞の取材に応じ、4人に青酸を飲ませたことを認めた上で「死刑に値することをした。覚悟はできている」と心境を明かした。
 筧被告は1審で、被害者について「私があやめた」「病気で死んだと思っている」などと、証言を二転三転させた経緯がある。弁護側は「事件当時から認知症が発症しており、捜査段階の自白は信用できない」などと無罪主張。だが判決は「症状は軽い」と、退けて死刑を言い渡した。
  記者は今月中に計4回、大阪市都島区の拘置所で面会。名刺を示して取材であることを説明し、計約1時間半にわたって話を聞いた。
  筧被告は黒いTシャツ姿で、白髪が肩まで伸びていた。顔にしわが目立つ。記者の言葉を聞き返すことが多かったが、はっきりとした口調で、冗談も交えながら取材に応じていた。
  事件について、記者が被害者4人の氏名を挙げると、「顔も性格も全部覚えています」と返答。4人に青酸入りカプセルを飲ませた記憶があるか尋ねると、「ある」と明確に答えた。ただ、詳しい時期や場所は覚えていないという。
  解明されていない青酸の入手先については、かつて大阪府貝塚市で印刷工場を経営していた際、出入りの染料業者からもらったと明かした。業者の中年男性に「インクに入れたら良い色が出る」と言われて印刷に使ったと明かし、「プロの技なので他人には言っていない。(当時は)青酸だと知らなかった」と証言した。
  面会の度に「罪相応のことをした」「長引かずに早く殺してほしい」と、死刑判決を受け入れる発言を繰り返した。その一方で「怖い」とも漏らし、死刑執行の時期を記者に対して逆に質問するなど、複雑な心境も垣間見えた。控訴審での主張は弁護士に一任するという。
  1審の法廷では最後まで、被害者や遺族への謝りの言葉はなかった。謝罪の意思を改めて尋ねると「あります」と強調。「謝っても『弁護士に言われて謝罪している』と思われる」「あやめた人の家族には伝わらないだろう」と思いも明かした。
  認知症については「(2014年11月の)逮捕前から年相応の症状が出て、拘置所で拍車がかかった」と説明した。記者の氏名を忘れたり、同じ話を繰り返したりすることもあったが、証言は一貫していた。
  これまでの人生については、「アホやったと思います。やり直したいというよりゼロにしたい」と振り返った。そして「死刑になることはみえている。病気の人に臓器を提供して、最後は誰かのためになりたい」と話した。【遠藤浩二、戸上文恵】
■青酸連続殺人事件
  1審・京都地裁判決によると、筧千佐子被告は遺産の取得などを目的に2012年3月~13年12月、内縁の夫の本田正徳さん(当時71歳)=大阪府貝塚市▽内縁の夫の日置稔さん(同75歳)=兵庫県伊丹市▽夫の筧勇夫さん(同75歳)=京都府向日市――の3人に青酸を飲ませ、いずれも殺害。07年12月、約4000万円の借金を免れるため、知人の末広利明さん(死亡時79歳)=神戸市北区=に青酸を飲ませて殺害しようとした。
※お知らせ
 記事の詳報は22日朝に掲載します
 最終更新:2/21(木) 19:54 毎日新聞

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です 

控訴審焦点に筧千佐子被告の「認知症」どう評価 1審「軽症」 弁護側「重度」 青酸連続殺人
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