外交文書「原則公開を」 岡田外相、有識者委設置の方針
asahi.com2010年2月27日19時59分
岡田克也外相は27日、三重県内で講演し、不十分さが指摘される外交文書の公開について「基本的にオープンにしていく」と述べ、徹底を図る考えを示した。講演後に記者会見し、近く新たな基準策定のための有識者委員会を立ち上げる意向を明らかにした。
現行の基準では作成後30年が経過した文書は公開することになっている。だが、国の重大な利益が害される場合や個人の利益が損なわれるような記録は、外務省の外交記録審査室などの判断で対象外となる。岡田氏は「実際には公開が少ない。原則は出す」と述べ、非公開文書を減らす方針を示した。
さらに、「外務省の官僚だけに(公開の)判断を任せるのではなくて、第三者を入れたり、大臣や副大臣が行うような形にしていかなければいけない」と述べた。(五十嵐誠)
◆「沖縄密約証言」をよみくらべる
それにしても、と素朴な疑問は続く。吉野さんが出廷できた条件は何だったのか、と。
<民事訴訟法では、元公務員が職務上の秘密にかかわる証言をする場合、所属官庁の承認を得なければならないが、今回の吉野さんの証人出廷については、岡田克也外相が承認。(中略)
「政権交代」が今年の流行語大賞に選ばれた。あれは流行語なの? と首をかしげないでもないが、それはともかく、自民党政権が続いていれば、外務大臣は吉野さんの出廷を承認しなかっただろう。
<06年に吉野さんが報道機関に対して、密約を認めると、麻生太郎外相(当時)は「元外務官僚と、現職の役人とどちらを信用するかと言われれば現職を信用するのは当然だ」>=毎日新聞
こうした「密約否定」の系譜はいまも続いていたに違いない。