かつて「内閣法制局長官」の国会答弁を認めなかった民主党…今や「権威」と持ち上げ、利用するご都合主義

2015-08-01 | 政治

 産経ニュース 2015.8.1 05:04更新
【産経抄】8月1日
 フランスのノーベル文学賞作家、アナトール・フランスはこう言った。「歴史家がある証人を信用したり、他の証人を信用しなかったりするのは、感情上の諸理由によってにすぎないということである。歴史は科学ではない」(大塚幸男訳)。何も歴史に限らず、文系の学問にはそんな曖昧さが付き物だろう。
 ▼7月30日の国会では、大半の憲法学者や歴代内閣法制局長官が安全保障関連法案を批判していることをもって、集団的自衛権行使は憲法違反だと訴える民主党議員に対し、菅義偉(すが・よしひで)官房長官が切り返す場面があった。民主党お得意のブーメランが、またもや自身に突き刺さった。
 ▼菅氏は民主党政権当時、ある官房長官が記者会見でこう述べたことを紹介したのだ。「憲法解釈は政治性を帯びざるを得ない。その時点で内閣が責任を持った憲法解釈を国民、国会に提示するのが最も妥当な道だ」。
 ▼これは菅直人内閣の仙谷由人官房長官の発言である。そもそも政治主導を掲げた民主党政権は、野田佳彦内閣の途中まで内閣法制局長官の国会答弁を認めず、代わりに法令解釈担当相を置いた。今になって法制局長官を「権威」と持ち上げ、利用するのはご都合主義の極みだ。
 ▼その元内閣法制局長官の一人、阪田雅裕氏は雑誌『世界』(平成19年9月号)でこう指摘している。「ほとんどの憲法学者は、現在の自衛隊が戦力に当たらないというのはおかしい、自衛隊は違憲だという立場だろう」。
 ▼もともと自衛隊の存在すら違憲だと考えている人に、集団的自衛権行使は合憲か違憲かと尋ねたら「違憲だ」と答えるに決まっている。まさに愚問である。国民の生命、安全、自由を守る責任のある政治家は、机上の空論に走ってはならない。
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します *強調、リンクは来栖
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◇ 小沢一郎幹事長の方針[官僚の国会答弁禁止]…国会論戦を乗り切れるのか(2009.10.10. 中日新聞) 
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小沢一郎氏 法制局長官の答弁復活を批判「旧体制下と同じ」 「政治塾」で講義 2012.2.13
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集団的自衛権で山本庸幸最高裁新判事「憲法解釈変更、難しい」 ← 「法匪」と呼ぶに相応しい
「国守れぬ憲法は無意味」奥野誠亮元法相/『防衛省と外務省 歪んだ二つのインテリジェンス組織』福山隆著 2013-07-28  
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