関西同友会・中野代表幹事インタビュー 高速道路無料化「無理がある」

2009-09-09 | 社会
産経ニュース2009.9.9 22:12
中野健二郎・関西経済同友会代表幹事(三井住友銀行代表取締役副会長) 関西経済同友会の中野健二郎代表幹事(三井住友銀行副会長)は9日、産経新聞社のインタビューに応じ、民主党政権の誕生に対し「期待感もあり、不安感もある」との考えを示した。二大政党制への一歩を踏み出したことを評価する半面、現実的でないマニフェスト(政権公約)についてはこだわるべきではないとくぎを刺した。(藤原章裕)
 --政権交代をどう受け止める
 「経済環境が悪い中、マニフェスト以外はすべてダメという教条主義では政権を継続できない。実態をよく検証し、政権を運営してほしい。マニフェストはあくまで基本理念。現実に照らして変えていく勇気が必要だ。日本の立ち位置を考え、国際社会で孤立化しないようにしてほしい」
 --民主、社民、国民新党の「3党連立」になる
 「数の論理を感じる。これでは今の自民党と変わらず、国民は再び閉塞(へいそく)感を持つことになる。一方、野党となる自民党に要求したいが、何でもかんでも政権与党に反対するのではなく、いい政策が出されたら賛成すべきだ」
 --自民党が昨年から実施してきた緊急経済対策が終わるかもしれない
 「中小企業対策をはじめ、緊急経済対策には評価すべきものは多い。前政権の政策を否定するのではなく、必要なものは勇気を持って続けるべきだ。経済が良くなくて国民のみが良くなるという国はない。政権与党の責任は重い。国民も政権交代を選択したわけだから、一定の覚悟が必要だ」
 --高速道路の無料化は
 「無理がある。日本の高速道路はトンネルを掘って橋をかけて作った。補修費用もかかるし、税金が必要になる。受益者負担の観点からフェアではないだろう。料金を安くして経済効果を期待するのであれば理解できるが、無料にする必要はない。無料化でつぶれる産業もあり、全体を考えるべきだ」
 --新政権の関西国際空港への姿勢が見えにくい
 「関空には国家戦略が必要。国が土地を所有し、関空会社は運営に専念する『上下分離方式』を導入すべきだろう。韓国・仁川空港と日本の地方空港は韓国の航空会社の直行便で結ばれているが、仁川空港では日本からの貨物をすべて仁川経由で欧米に運ぼうと国家プロジェクトとして取り組んでいる」
 なかの・けんじろう 九州大卒。昭和46年住友銀行(現三井住友銀行)。専務、副頭取などを経て平成20年4月から副会長。同年5月に関西経済同友会代表幹事就任。熊本県出身。62歳。

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