今夕は、名フィルサロンコンサート。坂田晃一さん(Cb.)と加藤真弓さん(Pf)。Cb.をソロで聴くなんて、ちょっと珍しい。チェロの曲を、Cb.でお弾きになる。なかなか、いい。
シューベルトの即興曲(Op.90-3)は、加藤さんのソロ。
同じくシューベルトだが、アルペジオーネソナタ。坂田さんが「1楽章だけです。あとは、これから1,2年かけて仕上げます」。ほんとに、よくわかる。私などは趣味でやっているにすぎないが、大きい曲は、最低でも1年はかかる。「この曲をもって越年したくない」なんて思ったりする。ベートーベンのピアノソナタ「テンペスト」op.31-2などは、第3楽章だけで1年かかった。所要時間も(弾き終わるまでに)、初期には、30分ほどもかかったものだ。弾く側も聴く側も、気力体力を要す。が、こんな曲はいっぱいある。稀有の天才(作曲家)が、これほどの技巧・時間を駆使しないことには、自分の云いたいことが言い尽くせなかった、ということだ。繰り返しのフレーズが何度も出てくる。そして、微妙に違う。
今夕、最後の曲は、タランテラ。これをCb.で。びっくり。おとなしい感じ。以前、タランテラを、映画『海の上のピアニスト』で聴いた。タランテラらしい盛上り、激しさを感じたものだ。
南京黄櫨 (なんきんはぜ)2008/11/19Wed.