ホンダ、ハイブリッド車150万円で/妬心は正義の仮面をつけて現れる/参院選公示

2010-06-24 | 社会
ホンダ、ハイブリッド車150万円で
日本経済新聞2010/6/24付
 ホンダは今秋に発売を予定する新型ハイブリッド車の価格を150万円程度にする方針を固めた。昨年2月に投入したハイブリッド車「インサイト」と同等の燃費性能を確保しながら40万円近く引き下げ、この分野では国内で最も安くなる見通し。トヨタ自動車もハイブリッド車の低価格戦略を加速。両社の競争が激しくなることで普及が一段と進みそうだ。
 ホンダが発売するハイブリッド車は小型車「フィット」をベースに開発する。フィットの中心価格は約130万円で、価格差は約20万円に縮まる。燃費性能はガソリン1リットルあたり30キロメートルを計画、現行フィットの同24キロメートルを大きく上回る。
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6月24日付 編集手帳
 堀口大学に『座右銘』という詩がある。〈暮しは分(ぶん)が大事です/気楽が何より薬です/そねむ心は自分より/以外のものは傷つけぬ〉◆株主ではなし、株を持つ予定があるでもなし、その会社にかかわりのない身で気分がふと沈むのは「そねむ心」のせいなりや? …と、詩人に問うてみる◆報酬1億円以上の役員の氏名や報酬額を開示するよう、金融庁が上場企業に義務付けたのを受けて、ぽつぽつと公表が始まっている。日産自動車カルロス・ゴーン社長の場合は8億9000万円だとか。そもそも、個人名まで明かさせる必要がどこにあるのだろう◆株主の利益を損なうほど高い報酬をもらっていないか、そのチェックならば個別開示ではなく、従来の総額開示で事足りる。嫉妬心(しっとしん)はときに「正義」の仮面をつけて現れるというが、情報開示の徹底という金融庁の正義にも仮面の下の顔がないかどうか。旦那(だんな)、のぞいてみたら面白いよ――“のぞき窓”の前に立たされ、心卑しい客として扱われているようで愉快ではない◆「そねむ心」を煽(あお)られて溜(た)め息をつくぐらいなら、知らずにいるのが幸せなこともある。(2010年6月24日 読売新聞)
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新S. 「くらべる一面」編集局から2010/06/24Sat.
朝日新聞
 昨夏の政権交代後、初の本格的な国政選挙となる参院選が、きょう公示されます。過半数の攻防で民主政権への評価が問われるのはもちろんですが、突然の首相交代で登場した菅首相は将来の消費増税案づくりを打ち出し、消費税も争点に急浮上してきました。地方に目を転じれば、選挙を支えてきた「政と業」の関係に異変が起きています。マニフェストの紙背にも目を光らせ、政策を吟味して選択を下す。有権者の眼力が試されます。(仁)
日本経済新聞
 ホンダは今秋発売する予定の新型ハイブリッド車の価格を150万円程度に設定する方針であることが分かりました。ハイブリッド車の価格は高いというイメージが崩れ、ガソリン車とあまり変わらないと思える水準まできたようです。低価格競争の激化で普及に拍車がかかるでしょう。ハイブリット車は日本が先行する技術。先行技術で利益率を追求する段階から量産で勝負するステップに入ったのか、各社の戦略の見せ所です。(つ)
読売新聞
 参院選が公示されます。消費税のあり方が争点として急浮上し、読者の関心も高まっています。経済面では消費税論議の参考になるよう、付加価値税を20%に引き上げたイギリスの財政再建策をたっぷりと紹介しています。「ゼロ税率」と「非課税」の違いなど丁寧に説明しました。さて、参院選の投開票日は7月11日ですが、サッカー日本代表はいよいよ16強をかけ、25日未明、デンマークとの決戦に臨みます。(す)
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天声人語2010年6月24日(木)付
 愛する者の曇り顔を想像し、漠然とした将来への不安が像を結ぶことがある。〈君が年ごろといはれる頃には/も少しいい日本だったらいいが/なにしろいまの日本といったら/あんぽんたんとくるまばかりだ〉▼詩人の金子光晴が孫娘に詠んだ「森の若葉」の一節である。交通戦争という言葉が使われていた1967(昭和42)年の作で、車が悪者になっているが、「あんぽんたんとくるま」の部分をいじれば今も通用する▼2010年の祖父の嘆きは、「天下りと無駄づかい」か「バラマキと増税論」か。「公約破りに短命首相」「世襲やタレント候補」……。いくらでも浮かぶのが悲しい。政治への冷笑や無関心の誘惑に逆らい、有権者は「も少しいい日本」への踏ん張りどころだ。参院選がきょう公示される▼多くの国民は、国債の乱発で次世代の、かわいい子孫の稼ぎを先食いするのは忍びないと考え始めている。そこを読んで、民主党は自民党の消費税引き上げ案に数字ごと乗った。強い財政で先々の憂いを払い、お金を使わせ、景気をよくするという▼政権は投票で代えられるという民主主義のイロハを、遅まきながら体感して10カ月。こんどはその政権に、衆院に続く多数を与えるか否かの選択となる。否であれば、不満と不安をどの党に託すか▼再生への歩みは、みじめな未来がひとごとでないと思い改めて始まる。各党が説く道筋を吟味し、ほかならぬ当事者として賢い判断を下したい。焼け跡をこれだけの国にした日本人である。あんぽんたん、のはずがない。

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