盲導犬ヴァルデス号と男性死亡 トラック運転の被告に禁錮2年 執行猶予4年 判決 徳島地裁 2016/5/30

2016-05-30 | Life 死と隣合わせ

盲導犬と男性死亡 トラック運転の会社員に有罪判決
 NHK NEWS WEB 5月30日 12時21分
 去年10月、徳島市で盲導犬を連れた視覚障害者の男性をトラックでひいて死亡させたとして過失運転致死の罪に問われた39歳の会社員に対し、徳島地方裁判所は「基本的な注意義務を怠った過失は大きい」などと指摘して執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
 徳島市の会社員、福本亮被告(39)は去年10月、徳島市新浜町の市道でトラックをバックさせているとき盲導犬を連れた視覚障害者でマッサージ師の山橋衛二さん(50)をひいて死亡させたとして過失運転致死の罪に問われています。トラックはバックする際周囲に注意を促すブザーを切った状態で、被告はこれまでの裁判で「取り引き先から騒音を怒られブザーを切っていた」と説明していました。
 30日の判決で、徳島地方裁判所の坂本好司裁判長は「後方の安全確認という基本的な注意義務を怠った過失は大きい。騒音を注意されバックブザーを止めてしまうなど、安全に対する配慮が十分とは言い難かった」と指摘しました。
 そのうえで、「被害者は失明を乗り越えて社会生活を営むなか、長年のパートナーだった盲導犬とともに突然、生命を失ったものでその無念さは察するに余りある」などとして被告に禁錮2年、執行猶予4年を言い渡しました。
 判決について山橋さんの母親の和美さんは「視覚障害者は音が頼りで、とりわけ警報音は命を守るために必要です。衛二と盲導犬のヴァルデスがみずからの命で伝えたことで社会が変わっていかなければ、二人の死がむだになります。警報音を義務化する法改正を願っています」というコメントを出しました。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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 産経ニュース 2016.5.30 10:16更新
視覚障害者死亡事故、盲導犬も巻き添え…トラック運転手に有罪判決 徳島地裁
平成23年、盲導犬「ヴァルデス号」と通勤する山橋衛二さん=徳島市
 徳島市で昨年10月、全盲のマッサージ師山橋衛二さん=当時(50)=がバックしてきたトラックにはねられ死亡し、盲導犬「ヴァルデス号」も巻き添えとなって死んだ事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた徳島市の会社員福本亮被告(39)に、徳島地裁(坂本好司裁判長)は30日、禁錮2年、執行猶予4年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。
 福本被告は4月の初公判で起訴内容を認めていた。検察側は論告で「歩行者はいないとの安易な思い込みから、後方確認を怠ったのは安全運転の意識が低かったと言わざるを得ない」と指摘。弁護側は最終弁論で「二度と運転しないと決めており、既に社会的制裁も受けた」などとして執行猶予付きの判決を求めた。
 起訴状などによると、昨年10月3日午前8時ごろ、徳島市の市道で資材置き場に入ろうとバックした際、後方の安全確認をせず、山橋さんとヴァルデス号をはねて死なせたとしている。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
 量刑が軽すぎるのではないか。おまけに執行猶予。裁判長は山橋衛二さんとヴァルデスを粗末に扱いすぎていないか。為すべきことをしていれば、死ななかった。百%事故とは言い難い。
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バック警報音「どうして義務づけないのか
2015.10.9 15:00更新
【関西の議論】徳島の盲導犬と飼い主、無念の事故死 バック警報音「どうして義務づけないのか」…法令の死角

    

   「徳島の盲導犬を育てる会」設立25年で飯泉嘉門知事を表敬訪問した山橋衛二さんとヴァルデス号=平成26年3月
 徳島市内で10月3日、視覚障害のあるマッサージ師、山橋衛二さん(50)が、バックしてきたトラックにはねられ死亡し、一緒にいた盲導犬のヴァルデス号も事故に巻き込まれて死んだ。山橋さんは長年、視覚障害者への理解を求める講演活動に携わり、ヴァルデス号は約1週間後に引退を控えた矢先の事故だった。トラックにはバックの際に警報音声を鳴らす装置があったが、スイッチは切られていたことが判明。法令では義務化されておらず、悲しみに暮れる関係者からは警報音声の義務化を求める声があがっている。(井上亨)
■ヴァルデス号は事故を避けようとした?
 事故は10月3日午前8時5分ごろ、徳島市新浜町の市道で発生。山橋さんは出勤のため、左側にヴァルデス号を従えて歩いていたところ、右前方から近づいてきたトラックにはねられ死亡した。ヴァルデス号も山橋さんのそばで息絶えた。
 徳島県警徳島東署によると、トラックは山橋さんの右前方からバックで近づき、車の向きを変えるために資材置き場に入ろうとハンドルを切り返した際に山橋さんらをはねた。運転していた男性(38)は「バックのときは分からなかった。少し前に出てバックミラーで人と犬が倒れているのに気づいた」などと供述。トラックにはバックの際に「バックします」と知らせる警報音声を鳴らす装置があったが、スイッチは切られた状態だった。
 山橋さんを搬送する救急車が到着したころ、現場を目撃した近くの女性(67)は「いつも盲導犬が男性を守っていた。よく顔を合わせる人だったのでショックも大きい」と話した。
 事故の一報を聞き、現場に駆けつけた公益財団法人「徳島の盲導犬を育てる会」の杉井ひとみ事務局長(56)は「ヴァルデス号は危険を察知して広いスペースがある資材置き場の奥の方へ山橋さんを誘導しようとしたが、間に合わなかったのだろう。盲導犬として最後まで山橋さんを守ろうとしたと思う」と声を詰まらせた。
■「盲導犬をつれた人を見たら安全運転を」と訴え続けた山橋さん
 育てる会によると、山橋さんは19歳のときに交通事故に遭って失明。当初はつえを使って歩いていたが、数年後に盲導犬に出合って暮らすようになったという。盲導犬は、交通量が多いところではスピードを落とし、耳で安全を確認した主人のOKサインで再び誘導するなど、主人との共同作業ができるように訓練されている。
 盲導犬との生活について山橋さんは「一番変わったのは外出が楽しくなったこと。盲導犬は障害物を避けてくれ、使い慣れた道をよく覚えているので助かる」と語っていたという。
 年10回以上、県内の小中高校で講演を行い、視覚障害者や盲導犬への理解を呼びかけてきた。9月17日には秋の全国交通安全運動の式典にヴァルデス号と出席し、「盲導犬を連れた人を見たら安全運転を」と訴えたばかりだった。
 一方、ヴァルデス号はオスのラブラドルレトリバー。事故に遭った日が10歳の誕生日で、11日に引退が決まっていた。山橋さんにとって3代目の盲導犬で、“相棒歴”は8年に及んだ。育てる会によると、犬は10歳前後で老化現象が出てくるため、その頃を目安に盲導犬の引退準備に入るといい、ヴァルデス号も同県石井町で余生を送ることになっていた。
■増幅する悲しみ
 事故現場には山橋さんとヴァルデス号の訃報を悼む人たちが手向けた花がずらりと並ぶ。育てる会にも「あなたの事故を知り心が痛みます。天国で山橋さんと幸せになってくださいね」などと書かれたメッセージが添えられた花が届けられ、悲しみは高まるばかりだ。
 昨年12月から今年1月にかけて体調を崩して入院した山橋さんに代わり、ヴァルデス号の散歩をしていたという同会メンバーの女性(59)は「突然のことでびっくりしている。残念でしかたがない。一緒に天国に行ったことで少しは救われるのでは」と目を潤ませた。
 現場近くの女性は「後で警報音声を切っていたと聞き、なんでと思った。どうして義務付けないのか。警報音声があったら山橋さんも気づき、最悪の事態は避けられたかもしれない」と疑問を呈した。
■高まる「警報音の義務化」を求める声
 育てる会の杉井事務局長は「障害者にやさしい社会を求め続けた彼の思い、彼の死を無駄にしないよう、バックする際は警報音声や警報音を鳴らすことを義務化するべきだ」と訴える。
 国土交通省自動車局技術政策課によると、車の安全に関する基準を示した法令「道路運送車両の保安基準」で「クラクションと紛らわしいものを備えてはならない」と記載。ただし、歩行者らへの警報や盗難防止などの装置については「この限りではない」としている。法令の禁止事項の適用除外となっているが、義務化はされていない。このため、自動車メーカーが事故防止を目的に自主的に装備をつけている。
 国交省は「運転者、歩行者双方が注意すべきこと」とし、「安全基準は過去の事故例を分析し、効果の高いものから安全基準に盛り込んでいる」とするが、今回の事故のような盲導犬を連れた視覚障害者らまで想定していないのが現状だ。
 事故を起こしたトラックのメーカーによると、すべてのトラックに警報音声などを装備。ただ、住宅密集地などに配慮する事業者の要望から、スイッチでの切り替え式が採用されているという。
 県は「同様の悲惨な事故はなくさないといけない」として、トラック協会やバス協会、建設関係の10団体に対して警報音声装置付きの車両の使用に努め、スイッチを切らないことやバック時は後方確認を十分にすることを呼びかけている。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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盲導犬「ヴァルデス」 徳島市で、視覚障害者の山橋衛二さんがトラックにはねられ、死亡する事故があった
目の不自由な男性と盲導犬(10歳) トラックにひかれ死亡 2015.10.3. 徳島市

    

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