【投票】国政復帰の石原慎太郎氏に期待するか/「支持が広がっていくとは思えない」小沢一郎氏

2012-10-26 | 政治

【投票】国政復帰の石原氏に期待するか
WSJ Japan Real Time 2012/10/25 16:51.
 都知事の辞職と国政復帰を表明した石原氏石原氏は記者会見で「今日をもって都知事を辞職する。国会に復帰しようと思っている。新党を立ち上げて仲間とやっていく」と述べるとともに、国政復帰にあたり憲法改正への意欲を示した。石原氏はたちあがれ日本を母体とし、保守勢力を再結集する新党構想を進めてきた。
 国内メディアによると、「日本維新の会」代表の橋下徹大阪市長は25日、石原慎太郎東京都知事の新党との連携について「まだ分からない」と話し、現時点での連携は未定との立場を強調した。ただ、石原氏とは個人的に意見交換を重ねており、「政策協議になれば、いろんな話をさせていただきたい」と含みを残した。
 石原氏と橋下氏には政策面などでやや違いが指摘される。例えば、原発政策については「大きな軸や方向性が違う」としたほか、憲法問題についても、憲法破棄を主張する石原知事との間で見解のずれがある。
 福島民報によると、24日に東京電力福島第1原発を初視察した石原氏は、原発事故について「冷却をしきれずに水素爆発を起こしたことは大きな反省点」と指摘。その上で、今後の原子力発電については「原発事故をもって、人間が開発した現代的な新しい技術体系を放りだすのは愚かだと思う」と述べ、原子力発電の必要性をあらためて強調した。
 ある自民党筋は石原氏について「大きなネームバリューがあり、日本の中韓との関係悪化を背景にシニア層を中心に待望論が出ていた。選挙後は、保守的な政治理念が自民党の安倍晋三総裁と近いことから、同党と連携する可能性もある」とみている。
 しかし、80歳と高齢であることや国政復帰に向けての組織力を持っていないことから「ブームを起こす感じではない」と同自民党筋は指摘している。また、次期衆院選では自民・公明を中心とする連立政権が予想されており、仮に石原氏が衆院議員に返り咲いても首相に就任するとは現時点でみられていない。
国政復帰に意欲を示す石原氏に期待するか。
(受付は11月1日まで)
記者: 吉池 威
(吉池記者をツイッターでフォロー: @WSJyoshiike )
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小沢一郎氏:「支持は広がらない」石原新党に対して
毎日新聞 2012年10月26日 21時37分(最終更新 10月26日 22時12分)
 「国民の生活が第一」の小沢一郎代表は26日、インターネットの番組で、石原慎太郎東京都知事が結成を表明した新党について「今の国民が望んでいることではないのではないか。(支持が)広がっていくとは思えない」と語り、国政への影響は限定的との見方を示した。橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会と「石原新党」の連携に関しては「橋下さんは統治機構改革、石原さんは従来通りの自民党と手を握って、という話を聞くと、協力し合えることはないんじゃないか」との見方を示した。
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新しい日本人たちへの決起を促した石原慎太郎氏の都知事辞任と国政復帰宣言 『週刊 上杉隆』 2012-10-26 | 後藤昌弘弁護士/石原慎太郎 
 新しい日本人たちへの決起を促した石原慎太郎氏の都知事辞任と国政復帰宣言
 Diamond online 週刊 上杉隆【第19回】2012年10月26日
 相変わらず見事なタイミングだった。
 きのう、石原慎太郎都知事は知事辞任を表明、国政復帰と新党結成を宣言した。
 確かに、15:00から都庁で開かれた緊急記者会見は80歳とは思えない力強さに満ちていた。
 ただ、その姿をMXテレビの画面で見て私が最初に感じたことは、「大変だな、石原さんも」というのが率直なところだった。
 今任期中の電撃的な辞任はすでに知っていた。
 昨年の3.11の震災直後、予定外の知事選不出馬を取り消した時に話した時も、同じ3月、自由報道協会で記者会見をした際も、またその夜、赤坂の料理屋で二人で食事をした時にも、石原さんは電撃辞任をほとんど断言していたからだ。
 問題は時期だった。今回、石原さんは一週間前に辞表を書いたという。だが、決意は4選決定の際、いや、本当は2回目のオリンピック東京招致立候補を決めた後、心に決めていたのだ。
 3年前、2009年のデンマークでのIOC総会直後、私はコペンハーゲン空港の特別室で石原さんと話していた。
「おい。もっと優しくしてくれよ」
 こう言いながら、石原さんはあの独特の人懐っこい笑顔を見せた。
 直前のIOC総会の記者会見(日本以外の国際会議ではフリーランスも会見に普通に参加できる)で、私が辞任を迫る質問をしたことに対する返答だった。
 それは5年前の2007年、3選当選を決めた直後の記者会見冒頭、私が次のように質問したことに遡る。
「知事は今回、オリンピック招致を公約に掲げて立候補しましたが、それに失敗した際はどうするのですか?」
 それに対して、石原さんが答えたのは「そりゃ、男らしく責任は取りますよ」というものだった。
■既得権益を手放さない世代を毛嫌いしてきた石原氏
 石原語を翻訳するのには長年の経験を必要とする。
 多くのメディアが陥りがちな、彼の表層的な言葉尻だけを捉えてしまうと完全に本質を見失ってしまう。それはある意味、文学的でもあり、政治的でもあり、なによりいつも通りに、硬直した日本社会への挑戦的な価値紊乱のビーンボールでもあるのだ。
 石原さんがコペンハーゲンの空港でその後に続けて発したのは次のような言葉だった。
「おい、上杉君。責任を取るっていうのは辞めることだけではなくて、やり続けることもまたそうなんだよ。なんで老兵の俺がやらなきゃならないんだよ。だいたい君たちの世代がやればいいんだよ。本当にしっかりしてくれよ。日本ももっと老人をいたわってくれよ」
 日本の不甲斐なさ。とくに団塊世代の意思決定の弱さに対して、石原さんはずっとイラつきを隠してこなかった。
 1995年、国会議員だった石原さんは永年勤続25年の本会議スピーチの最中、突如、議員辞職を表明した。その際、野次の中で述べたワンフレーズがいまだに私の頭に残っている。
「日本は去勢された宦官のような国家に成り果てた――」
 それは石原さんなりの警句であった。
 その直後に出版した『国家なる幻影』では、その心中を、中央官僚システムの打破という具体的なアプローチとして明示しているし、またその4年後の1999年には、「東京から日本を変える」として都知事選に出馬、外形標準課税(銀行税)、ディーゼル車規制、都債券市場構想など矢継ぎ早に新政策を打ち出し、自らその活動の旗手として、政治の舞台に返り咲いたのだ。
 中央官僚という具体的な言葉を使いながらも、石原さんが指摘していたのは新しい日本人たちへの決起を促すことに他ならなかったのではないか。
 現在の硬直した日本の中央官僚システムは、同じく停滞したその経済システム(とくに会計方式など)とメディアシステム(記者クラブシステム)と相まって、日本を衰退させる最大の根源だと石原さんは言い続けてきた。
 よって、そのシステムを既得権益化することで、自己利益ばかりを追求してきた団塊、およびその前後の世代を、石原さんは毛嫌いしてきた。
■それぞれに「国家革命」を希求した文壇の2大スター
 拙著「石原慎太郎『5人の参謀』」(小学館)を世に出してからもう10年以上が経つ。
 あの当時から石原さんの語っていることは少しも変わっていない。
 尖閣問題も、憲法破棄も、中央官僚システム、記者クラブシステムへの批判も――。
 なにより不甲斐ない世代へ決起を促し続ける姿勢も変わっていない。
 きのうの石原知事辞任会見の最中、一緒にいた出口晴三元東京都議会議員はぽつりと私にこう語った。
「石原さん、三島由紀夫のあの市ヶ谷での最期の演説みたいな思い詰めている雰囲気になっているな。三島とは、時代も型も違うけど、ターゲットは同じ国家官僚、『憂国の情』だね」
 憂国の情――。なるほど、同じく「国家革命」を希求した二人だが、かたや文学と武力、片や文学と政治の道に分かれて進んだ当時のスター。膨大な石原さんの過去の著作を漁っても、不思議なことに三島への記述は少ない。
 それは石原さんと話していても気づく。おそらく、当時の文壇の2大スターだった二人は常に比較され続けてきたのだろう。
「川端(康成)さんは見ちゃたんだよ。三島さんの(断首された)頭を。でも、僕は(上の階に上がらず)見なかったんだよね。それが生き方の違いに繋がったかね」
 いつの頃だったか、石原さんに三島由紀夫の話を振った時、珍しくこう答えたのだった。
 江藤淳に「無意識過剰」と評された石原慎太郎――。
 今年「憂国忌」は42年目を迎える。80歳の石原さんは、無意識のうちに、当時距離を置いたあの三島由紀夫の「憂国の情」に重なっているのかもしれない。
 昨日の緊急辞任会見を観ながら、私はそう観想したのであった。
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〈来栖の独白2012/10/26 Fri. 〉
 「同じように感じている人がいる」、そう思いながら上杉氏の稿を読んだ。
 石原慎太郎氏の言説に触れるとき、私は必ず三島由紀夫の気配をその背後に感じる。理由は、上に書かれている。
 それにしても、醜悪なのはメディアである。ワンフレーズで、石原氏の思想も理念も、片づける。これは小沢一郎氏に対しても使い古された手法だ。
 小沢一郎氏を理解し、たびたび取材して我々に小沢氏の真実を伝えてくれた上杉氏が、石原氏のことも温かく真っ当な眼差しで書いていることが、私は嬉しい。
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石原慎太郎著『新・堕落論』 新潮選書2011/7/20発行 


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