『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

◆安全な都市・居住地域・土地を求めて-No.2(小・中学校用地選定に学ぶ:上)

2011年04月08日 00時18分28秒 | ■東日本大震災に学ぶ
   ☆本シリーズには『ハザード事典』(「ハザードマップ事典」から名称変更)を参照ください。


  なぜ小・中学校は「災害時の避難所」となるのでしょうか?

 昔からいつも「災害時の避難所」として真っ先に挙げられるのが「公立」の「小学校」や「中学校」です。言うまでもなく、各種災害時の「避難先」として「指定」されているわけですが、日本人である私たちはそのことを当たり前のように思っています。それほど≪災害時の避難所=小・中学校≫という図式は完璧に浸透しているような気がします。

 では、なぜそうなのでしょうか。
 言うまでもなくその最大の理由は、「たくさんの子供たちが学んだり、遊んだりする所」であるため、他の施設よりもいっそう「安全性」に配慮した「立地」の選択がなされているということでしょう。また建築基準法上の「特殊建築物」として、通常の「建築物」よりも厳しい諸基準に基づいているからでしょうか。
 何と言っても「敷地」も広く、「校舎」が大きいために「目立ちやすく」、また「収容人数」がかなり見込まれることもその大きな理由でしょう。「体育館」はその最たるものです。


 小・中学校の「敷地」は「安全・快適な住宅用地」の参考 

 では「小・中学校」などの「用地の選定」に当たって、どのような留意点があるのでしょうか。そこで「文部科学省」の「ホームページ」を当たってみたのですが、特にこれと言ったものは見当たりませんでした。「学校教育法」によって「小・中・高」の「設置基準」が定められているにすぎず、「学校用地の選定基準」といった明確なものはないようです。
 とはいえ、何とか「幼稚園や小学校に関する計画条件」という記事を見つけました。
 
 これから紹介する事例は、「ある幼稚園と小学校」に関する「計画全体の総論的な記述」であり、「学校用地」に限定した「土地の選定条件」ではありません。記述の一部にそれと思われる「表現」があるにすぎません。
 その「内容」は常識的なものですが、「一般の建設用地」ことに「住宅用地」を考える上で参考になるのは確かです。  ※「原文」のままですが、「ゴシック」や「アンダーライン」「色文字」部分は筆者によるものです。


 ◎ある幼稚園・小学校の計画条件

(1)敷地候補地の選定 
 幼稚園・小学校用地の選定にあたって、国道・県道から遠く離れず、町中心部から1.5km以内で、園児・児童の安全確保のために災害の危険性がなく、日照時間・風通し・排水などが良好で、騒音がなく、四季の変化が肌で感じられるような場所が望ましい。また、規模については、必要諸室、付帯施設及び運動場等を考慮すると小学校用地としては、2.2~2.5ha以上、幼稚園用地では0.3ha以上、あわせて2.5~2.8ha以上が必要である。
  ※1ha(ヘクタール)=10,000㎡=100a(アール)
 
 アンダーラインの「園児・児童」を「居住者」に読み替えると、そのまま「一般住宅」にも適した「用地」となります。
 次回は、この『ある幼稚園・小学校』の【考えられる敷地条件】として、「自然条件」(地形、地盤等)、「社会条件」「建設・造成条件」を紹介します。いわば「各論編」です。

 
 ★この『安全な都市・居住地域・土地を求めて』や、まもなくスタートする『ハザード入門』の「連載記事」につきましては、できるだけ多くの方々に目を通していただきたいと思います。身近な方に勧めていただければ幸いです。
 ★ご意見等につきましては、 e-mail sumai-souboh@mopera.net へどうぞ。


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