『感性創房』kansei-souboh

《修活》は脱TVによる読書を中心に、音楽・映画・SPEECH等動画、ラジオ、囲碁を少々:花雅美秀理 2020.4.7

◆災害危険区域(安全な都市・居住地域・土地を求めて-No.5)

2011年04月23日 13時11分51秒 | ■東日本大震災に学ぶ
   ☆本シリーズには『ハザード事典』を参照ください。



 4月19日午前3時の「asahi.com」に、以下のような「見出し」の記事がありました。
 ※以下は筆者において記事を抜粋・再編集しました。

  津波の被災地、建築禁止――岩手県沿岸12市町村

 記事によれば、 岩手県は、このたびの「津波」で浸水した「沿岸12市町村」の約58平方キロ(東京ドーム約1240個分に相当)に渡る区域で、「住宅」などの建築を禁止する方針を決めたようです。具体的には、12市町村に対し、「建築基準法」の「災害危険区域」指定の「条例」を制定するよう求めるとのこと。

 「禁止期間」は「防潮堤」の再建などで、住民の安全が確保されるまでということですが、短くても「年単位」となるそうです。
 県の方針は、原則として「浸水全域」を「災害危険区域」に指定した上、地域の実情に合わせて区域拡大を求める方針。これらの区域では土地所有者の「私権」が厳しく制限されますが、県は「被災者の安全を守り、無秩序な建築を防ぐための措置」と説明しています。

 市街地が壊滅的な被害を受けた同県の「陸前高田市」などでは、「がれき」撤去が進むにつれて「自宅跡地」に「プレハブ住宅」を建てる住民も出始めていたようです。「災害危険区域」に指定されると「住宅」などの「建設」はできなくなり、行政の復旧・復興計画がスムーズに進む利点があります。

同様に宮城県も「建築基準法」を適用し、気仙沼市など3市2町で2カ月限定(5月11日まで)の「建築制限」をかけたとのこと。ただし、「災害危険区域」指定にはいたらない応急的な措置のようです。

 また 岩手県は「2カ月で復興の青写真をつくるのは無理」(若林部長)と判断しました。具体的な禁止期間の判断は各市町村に委ねるものの、防災施設の整備や防潮堤の再建までを念頭に、長期間になると想定しています。

 このような大規模災害後の「災害危険区域」の指定は、1993年の北海道南西沖地震で津波被害に遭った奥尻町や、2004年の新潟県中越地震で被災した同県旧川口町(現長岡市)の例があります。いずれも指定面積は小さく、住民の強制的な集団移転が目的だったようです。

 なお『災害危険区域』とは、3月16日の本ブログ『「地デジ化推進」より「津波対策推進」を(上)』の「津波」のときに説明しましたように、「建築基準法第39条」に出てきます。再掲――、

 第三十九条  地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。
 2  災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。

 
 「条文」をよく読むとお判りのように、「災害危険区域」の「指定」については、実際に災害の危険という事実が生じなくとも「危険が著しい区域」であれば、「指定」することができると言う点にあります。しかも、都道府県(市町村)単位の「条例」として定めうるのがポイントです。

 簡単に言えば、「いつでも指定できる」のが、この「災害危険区域」というわけです。
 そのため、今後多くの都道府県(実際には市町村)において、「災害危険区域」の指定の拡大が急速になされることでしょう。現在、各自治体において、「災害区域指定」のための「現場検証」などが精力的に行われているはずです。
 そして、実はこれらの「災害危険区域」を知るための具体的なツールが『ハザードマップ』をはじめとするものです。



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