いまやお散歩から帰るとウルフこんすけに変身、
おかあさんの急所をねらいとびついて噛んだり、
後ろから助走をつけてどつくこんちゃんですが、
去年の暮れは急性膵炎に倒れておりましてなあ。
悪い知らせを書くと現実になってしまいそうで、
ここでは前向き一直線に徹しておりましたけど、
舞台裏ではわりと深刻な状態が続いていました。
検査結果は「生きているのが不思議」な数値で、
無表情だけど「相当おなかが痛いと思います」、
「膵臓の炎症の治療のための薬はない」ので、
「ひょっとすると回復しないかもしれません」、
「今夜から明日が山場という感じ」との見立て、
目の前が真っ暗になりその場に崩れそうでした。
「生きているのが不思議」ということはあれか、
北斗の拳の「お前はもう死んでいる」てあれか。
余計なことを考えてはじわじわと涙があふれる。
今となっては笑い話なんだけれど当時は深刻で。
黄疸が出てぐったりしたこんちゃんを見ては涙。
友人知人のプロの衆に数値を確認してもらうと、
皆さんから一様に「残念だけど」というお返事。
「肝臓なんて人間でもありえない数値だからね」
「腎不全予備軍で心臓は弁膜症だと厳しいかな」
ひょっとしたらという希望は粉々に砕け散った。
どうしてもっとはやく気付かなかったんだろう。
あの朝思い直していれば一日早く連れて来れた。
無理に食べさせたり一日様子を見てからなんて。
自分の行いすべてが間違いだったように思える。
もう少しで「うちの子一周年」のお祝いなのに。
あの時は余裕がなく自分を責めてばかりだった。
入院した途端に「食べない飲まない出さない」
ナイナイナイ3ナイ運動に突入したこんこん。
それは数日続き点滴のみでなんとかしのいだ。
小さい方は朝出ていたが大はまったく出ナイ。
あの大食漢が食べないなんて信じられないが、
そんなに具合が悪いのかと思うと胸が痛んだ。
夜になると不安が襲いなかなか眠れなかった。
ただでさえ病院やほかの子を怖がってるのに。
ストレスでより悪化してしまうのではないか。
考えてもどうにもならないことばかり浮かぶ。
なんとかしたいができることは限られている。
私がこんちゃんにできることはなんだろうか。
朝になると寝不足でも頭はシャッキリしていて、
めそめそしがちの頭を切り替えて目標をたてた。
こうなったらもうこんちゃんをたぶらかすのだ。
「こっちの水はあーまいぞー」作戦で行くのだ。
選挙の時の政治家よろしく公約の大盤振る舞い、
あれやこれやいってこんちゃんをその気にする。
どんな手を使っても何としても回復してもらう。
毎日お見舞いに行きこんちゃんに話しかけた。
最初は状態がとても悪かったので朝夕2回通い、
落ち着いてからも毎日通い顔を見て話をした。
「退院したら楽しいことがいっぱいあるから」
「元気になったらみんなで旅行に行くんだよ」
「小豆島と淡路島にみんな一緒に行くんだよ」
「こんちゃんも元気になって一緒に行こうね」
「去年は行けなくて今年行こうって言ったね」
「約束したんだからこんも一緒に行くんだよ」
言いながら念じてた「こっちこーいこんこん」
何の根拠もなくこんちゃんをただただ信じた。
絶対に元気になるし一緒に小豆島に行くんだ。
そうじゃなきゃそうじゃなきゃいけないんだ。
数日が過ぎてこんちゃんが劇的によくなった。
「なんでよくなったのかわからない」と先生。
「点滴が効いたのかも」理由はどうでもいい。
それから退院まではまた数日かかったけれど、
どうだこれでもかと安定した数値を叩きだし、
なんとか1周年前日に退院することができた。
なんとまあこんちゃんのやることはミラクル。
とにかく元気になってくれればそれでいいの。
まだまだやり残したことがたくさんあるから。
楽しいこと嬉しいこともっと経験してほしい。
自信はないけど最後まで介護も頑張るつもり。
「わしこのうちの子になってよかったのう~」
いつかそんなふうに思ってもらえたらいいな。
となんで今更こんなことをいうのかというと、
老犬の急性膵炎で苦しんでいる飼い主さんに、
深刻な状況からV字回復した犬がいますよと、
実際今もここにいて元気で暴れていますよと、
私達の声をお届けしたかったからなのでした。
何の足しにもならない話で申し訳ないけれど、
諦めないで信じてあげてほしいなと思います。
その子の生命力と生きたいという気持ちとを。
飼い主が手を離さずに信じることが力になる。
幼稚ですけども私はそう信じているんですよ。
専門誌だし敷居も値段もちょっと高いのだけど
↓参考書としてこちら買うことにしました↓
【インフォベッツ】178号(リンクアクセスで購入可能です)
<特集>犬の膵炎2015
いかに診断、そして治療するか~臨床医からの提案
犬の膵炎は、複数の膵特異的なリパーゼが使用可能になったことから、診断については大きな進歩を遂げましたが、いまだしっかりとしたガイドラインが確率しておらず、超音波画像診断などほかの検査との総合的な判断が求められます。一方、治療においても、経験則やエビデンスレベルの低い論文をもとに議論されているところが多く、治療に関する統一した見解があるとはいえない状態です。
こうした現状を踏まえ、今回の特集では、犬の膵炎の診断の現状と、治療のコンセプトと問題点について大野耕一先生に、また超音波画像診断による膵臓の描出について戸島篤史先生にご執筆いただき、さらに臨床現場の実際の診断や治療に関して、大野耕一先生からの質問に、坂田実先生、鳥巣至道先生、中島亘先生にご回答いただきました。臨床現場での膵炎の診断・治療にお役立ていただける内容となっております。
▼犬の膵炎 診断の現状…大野耕一
▼犬の膵炎 画像検査 膵臓の描出法と膵炎でよく認められる所見…戸島篤史
▼犬の膵炎 どう診断するか アンケート:私はこうしている…[質問者]大野耕一 [回答者]坂井 学、鳥巣至道、中島 亘
▼犬の膵炎 治療のコンセプトと問題点…大野耕一
▼犬の膵炎 どう治療するか アンケート:私はこうしている…[質問者]大野耕一 [回答者]坂井 学、鳥巣至道、中島 亘
こんちゃんはたまにナックリングするのだが、
ナックリングの回復についての記事を見つけ、
買うことに決定。(さよなら夏目漱石先生~)
老犬の急性膵炎は繰り返すから勉強しとこう。
ミグノンさんのことも掲載されてるそうです。
こんちゃん急性膵炎まとめ
こんちゃん入院する。
こんちゃん入院の前日と当日つづき。
こんちゃん入院2日目。
こんちゃん入院3日目、オレコのそわそわ。
家族みんなでお見舞い。
膵炎用ケアフード、やっと食べた!
退院の知らせ。
退院なう。
どっさり。
おうちへゴーなのじゃ。
退院の夜。
退院の翌日、こんちゃん1周年。
先生、やっぱり(ヒルズの低脂肪療養食)食べません。
ちなみにどっさりのあれは真っ黒で血便だった。
翌日からよくなり数日後には普通になってた。