一般的には、新芽の季節は春先に決まっている。その時期、19号線を走ると道の両側に張り出した雑木の先端が黄緑色に膨らんで、目にもやさしく、気持ちも高揚してくるのを誰もが経験していると思う。ところが、矢作川河口の海岸近くでは、今、畑の表面が仄かに黄緑色に染まり、正に新芽の季節を迎えている。これは、この地方特産の人参畑の例年の風景だ。暑い中で、草取り、畝作り、種撒き、水遣りと作業して来たお百姓さんにしてみれば、春先の里山の芽吹き同様、この一斉に芽吹いた黄緑色は目に優しくて、気持ちも高揚してくる景色なんだろう。秋から冬に掛けて双葉がギザギザの人参葉に成長し、見渡す限りの広い畑が濃い緑色で埋め尽くされることになる。当地方は、季節はずれの新芽の季節を迎えた。毎朝、この色の変化を楽しみながらペダルを漕ぐことになる。顔に当る空気が段々ひんやりしてくる。
走行データ D:25.00 T:1.27.27 A:17.1 M:33.7 O:32796
走行データ D:25.00 T:1.27.27 A:17.1 M:33.7 O:32796