今日二度目の招請だった。
懐郷の塔の側壁内部を通る表階段を、翔伯は登る。
数多の人が行き交う階段を。
「おつかれさまです。翔伯さん」
「招請ですか?」
「おつかれさまです」
すれ違うたびに声を掛けられる。
うなずきや軽い返事をしながら、塔を登っていく。
皆、筒襟の黒い衣服に銀のマントを羽織っている。
宵闇と月光から造ったかのように。それは風景に、溶け込む。夜の世界に。
新人の教育係か。……この私が?
内心で苦笑を浮かべて、翔伯は登る。
何を考えているやら。李両?
銀の容姿の、細い青年。かの理知的な表情を、まもなくこの目で見るであろう友人の顔を思う。
李両、……昔語りが希望か?
懐郷の塔の側壁内部を通る表階段を、翔伯は登る。
数多の人が行き交う階段を。
「おつかれさまです。翔伯さん」
「招請ですか?」
「おつかれさまです」
すれ違うたびに声を掛けられる。
うなずきや軽い返事をしながら、塔を登っていく。
皆、筒襟の黒い衣服に銀のマントを羽織っている。
宵闇と月光から造ったかのように。それは風景に、溶け込む。夜の世界に。
新人の教育係か。……この私が?
内心で苦笑を浮かべて、翔伯は登る。
何を考えているやら。李両?
銀の容姿の、細い青年。かの理知的な表情を、まもなくこの目で見るであろう友人の顔を思う。
李両、……昔語りが希望か?