浴衣をはおり
手を引かれ
お寺の墓の
階段のぼる
初盆の提灯に
火をともす人
手を合わす人
懐かしいおじさんの声
「帰ってきたとね・・」と
笑顔の奥の
瞳が揺れた
涙 隠して
星が出るのを
待ち切らず
お参り客が
花火を上げる
ピューピューと
空 高く
打ち上げる人
手を合わす人
亡き魂の盆帰り
迷わぬようにと導く
ろうそくの火が
優しく揺れた
命 宿して
長崎では
お盆に、お墓で花火をします。
賑やかに、
心 しめやかに。
風香
ピアノ 西村 由紀江 「いつまでも」
まだ夜が明けないうち
母はひとり台所
父と兄のお弁当
朝ごはんの支度
この風景は
忘れはしない
いつまでも
朝陽が昇る頃
向かい側の教会から
オルガンの音
讃美歌を歌う
シスターの声
この風景は
忘れはしない
いつまでも
暑い朝 姉さんと
お国の平和を祈り
色とりどりの千代紙で
折った千羽鶴
この風景は
忘れはしない
いつまでも
あの日まで
変わらぬ景色
あの日から
変わった景色
光に飲みこまれ
瞳を閉じれば
浮かぶ幸せな日々
形は失くしても
大切な風景は
心の中に
いつまでも
限られた時の中で
今ある幸せを
大切に
~Koju~
(風香・・)
遠い異国の地で
今夜も奏でる祖国の魂
チャイナドレスに身を包み
ステージへ上がる私
拍手喝采
研ぎ澄まされる
繊細な心
二胡を持つ手が微かに震える
きっと 冷たい夜風のせい
心を静め 弦を引く
哀愁ただよう 蘇州夜曲
客席から漏れる 甘いため息
誰が為に せつないのだろう・・
あの日 日本へ旅立つ翼にひとり
あなたを置いて飛び乗った
夢を追い続ける私に
夢は 叶える為にあるのと言って
背中を押してくれたあなた
けれども夢は
あなたほど眩しくはなかったと
そう想えば苦しくなる
せつなくなる
だから 気づかずにおくの・・
涙を誘う音色は
私の心の色
せめて あなたの愛したこの曲に
涙をうずめ 生きていきたい
” wo ai ni ”
今でも
あなたを愛しているから・・
哀愁漂う二胡の音色は、まるで、女性の囁く声のよう・・
娘の弾く二胡は、私の子守り歌です
( ” wo ai ni ” とは、あなたを愛している という意味です。)
ランタン会場でも、二胡の演奏が、毎日聴けます
(※ これは過去の創作詩ですが、長崎ランタンフェスティバルは、今週木曜日まで開催されています)
追伸
私たち「空美風」の演奏は、無事終えることが出来ました!!
その時の様子は、追って詩にさせて頂きますね
長崎ランタンフェスティバル
風香・・
客席を沸かす中国獅子舞
可愛い姿とは裏腹の
迫力ある演技
甘えた素振りを見せては
一瞬にして 高い台の上に飛び乗り
荒々しい舞いを披露する
息をのむ観客の前に
そろりそろりと下りてきて
大きな口を開けたかと思うと
ガブリ!!と 客の頭にかぶりつく
子供は泣き叫び
大人は 恐怖に身を縮める
無病息災を祈るパフォーマンス
噛まれた人は
その一年を約束される
私も噛まれたかった
暫くすると 小さな獅子も現れ
愛橋を振りまく
当然 中に入っているのは子供達
なぜか 涙がこぼれそうになる
ハオ(好)! ハオ(好)!
客席から上がる感動の声
鳴りやまない拍手
名残惜しそうに
舞台から去って行く 可愛い獅子達
謝謝(ありがとう)! 謝謝(ありがとう)!
無病息災
私も
皆さんの為に祈ります
ハオ(好)!とは、中国語で素晴らしいという意味のようです。
皆さんも、中国雑技などの演技を観る機会がありましたら、
是非、ハオ(好)!と、声をかけてみてくださいね
(※これは過去の創作詩ですが、長崎ランタンフェスティバルは、今週木曜日まで開催されております!)
長崎ランタンフェスティバル
風香・・
想いつたなき 夜半の月
そぼ降る ほたる星
天(あま)から流れる竜の笛
この身 さまよう
伝えきれない言の葉は
ひらりひらり舞い散る
想い馳せても 願っても
夢はかげろう
ほのかに浮かぶ 紅の花
頬に色染めし
揺れる花びら 泡沫の
秋に咲くらん
今宵 罪無き神無月
風に心ひそめる
想い馳せても 願っても
夢はかげろう
伝えきれない 言の葉は
ひらりひらり舞い散る
想い馳せても 願っても
夢はかげろう
夢はかげろう
あなたへの想いは、
泡沫の夢
伝えきれない言の葉が
秋の夜に咲く
風香・・