空美風~私らしい言葉で~

二胡と歌の親子ユニット空美風のボーカル担当ひとみが綴るブログです。

月夜道のうた

2010-07-01 00:16:25 | ポエム

帯じめしながら かあさまが

瞳を合わさず こう言った

「もう あの子とは遊べないの・・」

なんでそんなこと言うの・・?

どうして遊んじゃいけないの・・?


しばらく経って 他の子が

耳打ちしながら こう言った

「流行り病にかかったんだって

だから 遊べないんだって・・」

とっても会いたいのに

一緒に歌を歌いたいのに・・


ふたつ上の姉さまが 

私を見ながら こう言った

かあさまには内緒だよ・・

この千代紙で 折り鶴折って届けなさい

あの子に会いたいんでしょう?

そう顔に書いてるよ・・


折り鶴折る前 姉さまが

微笑みながら こう言った

心を込めて 丁寧に

ひと折り ふた折りすることで

想いが灯って 鶴となり

願いが叶っていくんだと・・


小高い丘の赤い屋根

めざして 走って 転んでも

この折り鶴だけは無傷でと

しっかり胸に抱きしめる

あの子の歌が聴きたくて

一生懸命走ったの

なのに お星さまが私より

先に会いに行くなんて・・


優しいあの子の かあさまが

私を見つけて 飛んできて

涙をこぼして こう言った

たった今 あの子が星になったのと

ぽろぽろ ぽろぽろ泣きながら

私を強く抱きしめて

手渡してくれた 千羽鶴

私に会えるよう 神様に

夜も眠らず折ってたと・・


迎えに来てくれた姉さまの

顔を見上げて こう言った

もう 一緒に歌えないの?

すると 姉さまの瞳から

涙がこぼれた瞬間に

風に乗ってさらさらと

あの子の声がこだまする

私も一緒にさらさらと

空を見上げて歌ったの

とっても透き通った歌声で

あの子と一緒に

月夜の道を照らし続けながら・・






今日から七月。なのに、長崎は梅雨の湿った雨籠り。
心まで籠らぬよう、空を見上げて歩きましょう

雨は雨で、心の痛みを浄化してくれる不思議な力を秘めています。
夏に入る前の洗礼を、身を清めて受けていかなくちゃ




    風香・・























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