気丈な叔母が入院した
早くに叔父が亡くなって
ずっとひとりで頑張って来たのに
何かのストレスで
心を壊してしまった
誰にも優しく
誰にも平等に接していた叔母
身寄りのない方のお世話
お参りのないお墓のお世話
妹である母の為にと
小さな畑で
じゃがいも 玉ねぎ
サツマイモを育て
重い重いお米をわざわざ買って
母のもとに送り届けてくれていた
叔母の住む町は
海沿いの漁師町
過疎化により
ひっそり静まったその町が
叔母の帰りを静かに待ちわびている
でも・・
叔母の心から
少しずつ思い出が消され
ふる里さえ
消えようとしてるなんて・・・
病室の入り口にある
叔母の名前のプレートを見る度に
目がしらが熱くなってくる
唯一
叔母を慰めてくれる
病室の窓に映る
美しい長崎の街並みが
今は叔母の心のふる里
真新しい病院の
三階病棟に映る景色は
まるで映画のスクリーン
きっと神様からの
ひたむきに ひっそりと
慈愛を持って生きて来た叔母への
素晴らしいご褒美なのではないかと
そう思ってる・・・
叔母さんのこと、孫のこと、家事、自分の病気など、
毎日毎日忙しい日々を送っています
そんな忙しさの中、私にも唯一自分らしくいられる場所があります
静かに言の葉を紡げるこの場所です
風香・・