せわしく鳴く蝉の声
追うように
けたたましく鳴るベルの音
100歳に
もうすぐ手が届く夏
あなたは逝った
愛する人の
故郷へ帰るたび
出迎えてくれた笑顔
それが当たり前になって
安心しきっていたけれど
想いは愚か
薄れゆく寿命にさえ気づけず
鈍くなってた心
私達夫婦の
仲人を務めた責務を感じ
ふたりの背中を
いつも
見守ってくださっていたのに
尽きることない感謝を
伝え続けることもしないでと
今更嘆いても
もう 遅い
せめて
空を仰ぎ見て祈ろう
今生の役目を成し遂げ
魂となり
新たな旅路に向かわれるその足が
穏やかに満ち
軽やかでありますように
そして
美しい花園へといざなわれ
安らかな眠りに就けますよう
心から
心から
お祈りします
長い長い人生の旅を
本当にお疲れさまでした。
風香・・