気丈な叔母が入院した
早くに叔父が亡くなって
ずっとひとりで頑張って来たのに
何かのストレスで
心を壊してしまった
誰にも優しく
誰にも平等に接していた叔母
身寄りのない方のお世話
お参りのないお墓のお世話
妹である母の為にと
小さな畑で
じゃがいも 玉ねぎ
サツマイモを育て
重い重いお米をわざわざ買って
母のもとに送り届けてくれていた
叔母の住む町は
海沿いの漁師町
過疎化により
ひっそり静まったその町が
叔母の帰りを静かに待ちわびている
でも・・
叔母の心から
少しずつ思い出が消され
ふる里さえ
消えようとしてるなんて・・・
病室の入り口にある
叔母の名前のプレートを見る度に
目がしらが熱くなってくる
唯一
叔母を慰めてくれる
病室の窓に映る
美しい長崎の街並みが
今は叔母の心のふる里
真新しい病院の
三階病棟に映る景色は
まるで映画のスクリーン
きっと神様からの
ひたむきに ひっそりと
慈愛を持って生きて来た叔母への
素晴らしいご褒美なのではないかと
そう思ってる・・・
叔母さんのこと、孫のこと、家事、自分の病気など、
毎日毎日忙しい日々を送っています
そんな忙しさの中、私にも唯一自分らしくいられる場所があります
静かに言の葉を紡げるこの場所です
風香・・
小川のせせらぎに春を見た
それはとても暖かくて
思いっきり背伸びをして
青い空を見上げた
遠く遠くどこまでも
手を伸ばしても届かないけど
でも この思い出は
心の絵ハガキに・・
麦わら帽子に夏を見た
それはとても眩しくて
思いっきり駆け抜けて
きらめく海 見おろした
深く深く果てしない
青い海は続いてるから
今 この思い出は
心の絵ハガキに・・
赤く映える山に秋を見た
それはとても美しくて
金木犀の香りの中
冷たい風 駆け抜けた
残り少ない紅葉に
「サヨナラ」告げる 渡り鳥たち
そう この思い出は
心の絵ハガキに・・
暖めあう森に冬を見た
それはとても厳しくて
寒さに震える子供らを
優しい目で抱きしめる
こらえきれない寂しさに
旅の終わりを涙で綴る
あぁ この思い出は
心の絵ハガキに・・・
今日からまた、心の軌道修正しなくちゃ
余計な感情は捨てて・・
どこまでも、まっすぐに・・
どこまでも、私らしい心で・・
風香・・