「ご臨終です」
空っぽな頭に響く声
病室の窓を叩きつける
激しい雨の音が
その後に崩れ落ちる
私の声をかき消した
父の体が
亡骸になるなんて
どう理解すればいいのだろう
五月雨は更に音を立てる
轟々と唸りながら
あれから一年が過ぎ
悲しみは薄れ
笑顔の父が
懐かしく寄り添っている
心が弱るたび
優しく包んでくれた父
”頑張れよ”
そう言って微笑んでくれたっけ
お父さん
生きるって大変だけど
その大変さを
躓きながらも乗り越えていけるのは
お父さんのお陰だよ
写真の父が照れ笑い
”かしこまってどうしたんだよ”
そう言ってるのかな
お礼を言いたくなったの
感謝の言葉を・・
だって
今日は父の日だから
お父さん
ありがとう・・
全国のお父さんにとって
父の日の今日が
幸せな一日でありますように
風香・・