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3月2日松下幸之助一日一話 (松下幸之助.COM)
魂のこもった朝礼
朝、仕事をはじめる前に朝礼をする会社や商店が多いようであるが、この朝礼をただ惰性で行なってはいないだろうか。会社や商店が順調にのび、世間の評判もよくなる。銀行も金を貸してくれるし、事業もたやすくできる。そうなってくると、最初全員が真剣であった朝礼も何となく気がゆるみ、形だけに終わってしまいがちである。社長も従業員も一番注意せねばならないのはこうした時期ではないかと私は思っている。
だから、朝礼をするならば魂のこもった朝礼というものを常に心がけねばならない。そうでなければ朝礼を行なう価値がない。形だけなら何にもならないと思うのである。
【コラム】筆洗
2014年3月1日 東京新聞TOKYOWeb
▼<えだを はなれて/ひとひら/さくらの はなびらが/じめんに たどりついた/いま おわったのだ/そして はじまったのだ>。きのう百四歳で逝った詩人まど・みちおさんの「さくらの はなびら」だ
▼まどさんは、見つめる人だった。両親と離ればなれで寂しい思いをした少年時代から、肉眼でやっと見えるくらいの小さなもの、かすかなものを見るのが好きだったという。花粉の中でもぞもぞ動く虫の触角や、小さな種の表面で陽光に輝くうぶ毛…
▼じっと見ていると世界が広がりだし、宇宙までつながっていく。ミミズもこんなふうに見えてくる。<シャツは ちきゅうです/ようふくは うちゅうです/-どちらも 一まいきりですが>
▼音楽も見ようとした。<かみさまだったら/みえるのかしら/みみを ふさいで/おんがくを ながめていたい/目もつぶって 花のかおりへのように/おんがくに かお よせていたい/…そして ほほずりしていたい/そのむねに だかれて>
▼ぞうさん、やぎさんゆうびん、ふしぎなポケット…どれも題を聞くだけで音楽が流れ出す。まどさんからの贈り物の素晴らしさをあらためてかみしめる
▼さくらの花は散る。星も生まれ死ぬ。それは終わりだが、あらたなめぐりの始まりでもある。まどさんは「死とは、はかり知れないほどの大きな恵み」と語っていたという。
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