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3月9日
三日の手伝い
「三日の手伝い」という言葉があります。たとえ三日間の手伝い仕事であっても、その仕事に一生の仕事のような心構えで真剣に立ち向うならば、そこから必ず大きなものを得ることができる、ということです。そうしてこそあらゆる場合に直面しても動じない精神が身につくということでしょう。
そう言うと「本業についたらもちろん一生懸命に努力する」と言う人がいるかもしれません。しかし、私のこれまでの体験から言うと、現在与えられた、いまの仕事に打ち込めないような心構えでは、どこの職場に変わっても、決していい仕事はできない。これははっきり申しあげることができると思うのです。
【コラム】筆洗
2014年3月8日東京新聞TOKYOWeb
▼冬ごもりしていた虫も地中からはい出す啓蟄(けいちつ)も過ぎたというのに、すっかり冬に戻ったかのように、身を切る風が吹く。こんなフキノトウも、あることだろう。<負けまいと立ちつくす君蕗(ふき)の薹(とう)>
▼これは中学三年生が詠んだ句。春を目前にしての寒さ。受験と進学、進級。どきどき、わくわく。子どもたちにとって、春は新しい地平が広がる季節だ。三月三日に出たばかりの『こども歳時記』(小学館)を開けば、古今の名句とともに、寒風を忘れさせてくれるような子どもたちの句が並んでいる
▼<しゃぼん玉ストローはなれたびに出る><赤ちゃんの大きなあくび風車><ぶらんこで近づく雲へあと一歩>。そういえば、シャボン玉も風車もぶらんこも、みな春の季語だ
▼<春風は一年生とやってきた><背中押すはりきりすぎの春風よ><トランペット高いソでたら風光る>。子どもにしか詠めない句であり、大人たちの中に潜む「子どもの目」を呼び覚ましてくれる句でもある
▼真新しい歳時記のページをめくるうち、一つの季語に目が留まった。生まれてほしくなかった季語。しかし、この国の時のめぐりにしっかりと刻みたい言葉。「東日本大震災忌」だ
▼震災の年に小学校に入った茨城県の女の子は、校庭での黙とうを詠んだ。<おいのりの二時四十六分春の雲>。まだ春遠い被災地に、届いてほしい春の祈りだ。
☆ 今日も寒いですが、皆様にとって良い一日で有りますように ☆
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