泉を聴く

徹底的に、個性にこだわります。銘々の個が、普遍に至ることを信じて。

貧乏草?

2021-05-06 17:41:54 | フォトエッセイ
 子どもの頃、この花は「貧乏草」と呼ばれ、子どもたちに忌み嫌われていた。
 触れば貧乏になる、という。
 自ら触ろうとする強者はいなかった。みんな、貧乏になりたくなかったから。
 そこで遊びが始まる。
 むりやり貧乏草に触らせようとする遊び。
 残念ながら触ってしまった者は、他の者を道連れにしようと、折った花を持ち、全力ダッシュ。
 その鬼から逃げられたかどうか、定かではない。
 なぜ、貧乏草?
 本名は、あの牧野富太郎博士がちゃんとつけている。「春紫苑(ハルジオン)」と。
 1920年頃、観賞用として北アメリカから持ち込まれた。
 草花もまた西洋化の煽りがあったのでしょうか?
 かわいい花だから、持ってきたくなるのもわかる。
 しかし、ここまで生命力が強いとは知らなかったのでしょう。
 今では雑草扱い。日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれています。
 一見、はかなげな姿から「追想の愛」という花言葉。
 花は悪くない。勝手に移動させられて、必死に生き続けようとしているだけ。
「その花に触れば、貧乏になる」と断言されれば、そっかー、じゃあ避けよう、と思ってもしまう。
 子どもは尚のこと。私も、あっという間に信じていた。
 言葉の怖さを思い出す。
 その言葉に中身はあるか?
 言葉に意味を満たしていくのは、それぞれの私。
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 子どものための哲学対話 | トップ | 過去の整理 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

フォトエッセイ」カテゴリの最新記事