槍ヶ岳<2日目=登頂と展望>
天候判断~ワンチャンスGetと諦める決断~
御来光前ですが、既に夏の稜線は白んでいます。
白馬岳、鹿島槍方面。手前は、針ノ木・蓮華。
黎明の槍ヶ岳 肩に、槍ヶ岳山荘の灯りも見えている。 右に、北鎌尾根。
東鎌尾根からの槍ヶ岳。 モルゲンロートの焼けはない。雲が多すぎる。
大喰岳~中岳~南岳の稜線。
南岳~北穂~前穂もこの時間帯は、意外とよく見えていた。
でも、上空は一面の曇り空だ。
蓼科山、八ヶ岳がシルエットで見えている。
少し粘ってみたが、やはりモルゲンロートに燃えることはなかった。
台風からの湿った風が流れ込んでいる。午前中も後半になれば、稜線の天気は崩れる。
大キレット~北穂への縦走は、難しいだろうと踏んでいた。
槍への登頂成功もかなり怪しい天気だ。肩まで進んで様子を見ることに。
槍のてっぺん~北鎌尾根
東鎌尾根を槍ヶ岳に向けて、急ぐ。
大喰岳~中岳の縦走路と
さらにその先、中岳~南岳~大キレット~北穂への縦走路。
前穂北尾根も見えている。
なんだか、このまま予定取り行けてしまう感じだが、この場の稜線の輝きに騙されてはいけない。
この雲、この風。 間違いなく下り坂だ。しかも、短時間の内に崩れる。せめて、槍だけは。
急げ、カモシカ。 まだ雨は降って来ぬ。
富士山も南アルプスも見えている。
しかし、この雲はダメだ。
常念山脈も八ヶ岳も今はまだ綺麗に見えているのだが、、、、、。
今見えている常念もそろそろ見納めか。。。
今回は、北部の方がいくらか天気がもちそうだ。
そうかと言って、ここから白馬方面へ飛んでいくこともできない。
前穂に雲がかかってきた。
北穂と北穂岳小屋。大キレットから雲が湧き上がってきたのが確認できた。
上空も一面雲が広がっている。
朝日を受けて、いざ出発! <岩肌が輝いていたのは、ここまで>
槍ヶ岳の雄姿を眺めながら、東鎌尾根を急ぐ。 早くも一面の曇り空へ。。。
憧れの北鎌尾根の眺め。
ぐんぐん槍に近づく。
ほんの数分経過しただけなのに、前穂北尾根、北穂が、完全に消えました!
槍の肩からも雲が流れてきた。
「走れ、メロス」 否、 急げ、カモシカ!
微妙な天気ですが、毎回のお気に入りポイントからの槍の姿は、捉えておきましょう。
いつもの快晴の青空なら、槍の穂先も映えるのですが。。。
槍が消えない内に、撮影しておきましょう。
孤高なまでに 独り天を突く槍ヶ岳。
もう少しで、槍の肩という所で ガスに包まれ始めました。
槍の肩に建つ槍ヶ岳山荘に立ち寄ることに。お約束ですからね♪
「おはよう、ゆみちゃん!」 もはや完全に山荘のスタッフの一員に。
<短期バイトなので、看板娘滞在は、23日までです。>
ガスで、視界も無く真っ白のままなら、下山しようかとも考えていましたが、
少し明るくなってきました。 ワンチャンスしかありません。 今だ、Go!
穂先を登って行く登山者たち。
笠ヶ岳や槍ヶ岳山荘を振り返り見る。
穂高へのお馴染みの縦走路。最悪の形で雲が覆っている。(やっぱりな。。。)
昨年の貸し切りでの登り下りからすると 混み合っているなぁと感じましたが、
夏山シーズンの槍の穂先でこの状態は、実は、まだがら空きに近いのです。
槍への登りは、岩登り初級レベルですが、岩に慣れてない登山者や初心者の方は
おっかなびっくりで、ゆっくりの割に危険な登り下りをしています。<渋滞の原因>
岩場の中・低山で学習・訓練してから、ステップアップでアルプスに臨んで欲しいところです。
ラストの梯子を登りきると
3,180mの槍ヶ岳のてっぺんに飛び出します!
槍ヶ岳の山頂にて
今夏は、「槍ヶ岳」のプレートが4種類ありました。
過去何度も登っている槍ヶ岳ですが、山頂がこんなに混んでいるのは初めてでした。
<例年、貸し切りかそれに準じる状態だったので。。>
まあ、混んでいても北鎌尾根を見下ろす指定席に陣取れば、関係ないですけどね。
このポジションから 槍ヶ岳山頂からのぐるりの展望をお届けします♪
その前に、これから進む予定の縦走路に目を向けます。
縦走路、大キレット、北穂、奥穂、ジャンダルム、前穂ともすっぽり雲に覆われている。
少し崩れて、薄らいでも、
次の瞬間、また覆われていく。
この雲の動きは、やっぱり悪いなぁ~。
天気予報では、午後からの崩れだったが、もっと早い時間に崩れそうだな。
それでは、槍ヶ岳からの ぐるりの展望です。
常念山脈と東鎌尾根、槍沢。 東鎌尾根上にヒュッテ大槍。槍沢に殺生ヒュッテ。
常念岳~大天井岳~表銀座~西岳~東鎌尾根。貧乏沢と北鎌尾根の裾野。
北鎌尾根の稜線。
黒部五郎、訳し、水晶、赤牛、立山・剱岳
双六、三俣蓮華、鷲羽、野口五郎岳など・・・・。
双六、黒部五郎、訳し、水晶岳方面をアップで
笠ヶ岳、槍ヶ岳山荘
笠ヶ岳にズームイン
黒部五郎岳にズームイン
薬師岳、水晶岳方面にズームイン
剱岳方面にズームイン
白馬岳、鹿島槍方面にズームイン
ぐるっと一周。 その後、さらに30分程、展望を楽しむが、以下のようにすっきりしない眺めだ。
北鎌尾根稜線にズームイン
最大の注目は、大ッキレットを越えて北穂へ続く縦走路。
毎年見ているスカッとどこまでも見渡せる眺めではない。
稜線の天気の崩れは、早い。 縦走しても展望もないし、危険である。
何より雨に濡れて歩くのが、嫌いなカモシカである。
朝のワンチャンスで、槍ヶ岳登頂とそこそこの展望を眺められたので、よしとしよう。
降られる前に下山するとしよう。
山頂から肩まで一気に下山。
槍沢も台風からのSSWの風で どんどん雲に覆われていく。
肩まで下って、槍の穂先を仰ぐ。
テラスで小休止している間に、大喰~中岳~南岳への稜線が、完全に視界から消えていった。
振り返れば、槍もかろうじて、それが槍のピークとわかるほどに。。。
槍沢を下山。 稜線は、どんどん雲が垂れこめていく。槍も見えなくなった。
播隆窟にて
坊主岩小屋下の分岐にて。完全に槍の姿が消えた。
天狗原分岐にて。 稜線は、完全に雲の中。
雪渓にて。 今にも雨が降り出しそうな暗い感じに。。。。
横尾にて。 前穂は、完全に雨雲の中である。
ここで、稜線が晴れ渡っていると悔やまれるのだが、
判断通り、縦走を中断してよかったと思うのであった。
河童橋にて。 穂高連峰も雨雲の中である。
梅雨明け直後もスカッと晴れず、連続台風の影響を受け、お盆休みからは梅雨に逆戻りしたように
長々と停滞前線が横たわり、この先まだまだぐずついた空模様が続くとのこと。
お盆が過ぎれば、山はもう秋の気配が感じられる頃。
今年の夏山アルプスは、不完全燃焼である。 しかし、天気には勝てない。
人間の力では、どうにもならない山の天気である。
お盆も事前に「大雨」の予報が出ていたにも拘らず北アルプスで相次いだ遭難事故。
親愛なる山口孝さん語録にもあるように、
人間の都合で 山に登ってはいけない。山の都合で登り、安全かつ楽しい登山にしたいものである。
穂高よ、槍よ、 また来るよ♪
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