それは、東武東上線の川越駅内の小さな本屋だった。
これからの長く退屈な道中をまぎらわすために、軽い文庫本でも買おうかと思った僕は、何故か作者も知らないその本を、文庫本の山の中から掴んでいた。
それが、佐藤正午の「ジャンプ」だった。
東上線の中で、山手線の中で、そして新幹線の中で、僕は夢中でその本を読んだ。
ある日、主人公のアパートからコンビニに買い物に行った彼女は、それっきり主人公の前から消える。
失踪した彼女を見つけだそうと、主人公はコンビニからの彼女の足跡を辿る。
信じられない偶然の重なりが、彼女を主人公の前から遠くへ、遠くへと連れ去って行った事が分かってくる。
しかし、主人公は彼女を再び、見つけることはできなかった。
次第に彼女の存在が朧になってきた主人公は別の女性と結婚し、子供も出来、平凡だが、幸せな家庭を築く。
そんな主人公が、田舎町に出張に行った時に、ローカル列車のホームで遂に彼女と出会う。
何故、僕の前から姿を消したのかと、彼女をなじり、詰問する主人公。
そして、大きなドンデン返し。
彼女を主人公の前から遠くへ連れ去ったのは、偶然の重なりでもなく、事故でもなく、主人公が犯していた小さな裏切りのせいだったのだ!
サスペンス物ではないのに、ドンデン返しの鮮やかさと、自分が深く意識しないまま行っている些細な行為が、実は大きく人生さえ変えてしまうという皮肉なホロ苦さに、僕は参った。初めて読んだ佐藤正午という作家を、いけてると思った。
この後、立て続けに、僕は佐藤正午の本を読んだ。
風邪を引いて、微熱持ちのベッドの中で「永遠の1/2」を読んだ。僕の一番居心地の良いソファで「Y」を読んだ。そして、ニューヨークへ行く飛行機の中で「彼女について知ることのすべて」を読んだ。
どの本も、とても好きだ。
因みに「ジャンプ」は原田泰三主演で、「永遠の1/2」は大竹しのぶと時任三郎の主演により映画化されている。
そして、今年、「ジャンプ」以来7年ぶりに長篇小説が出版された。
タイトルは「5」。
勿論、読んだ。
この本についてまだ僕は饒舌に語ることは出来ない。考えが、醸造しきれていないのだ。
ただ、言えるのは、とても苦い恋愛小説だということだ。
愛は永遠であって欲しいと願う。
でも、この本は「必ず冷めるもののことをスープと呼び愛と呼ぶ」「冷めないスープはない、冷めない愛はない。冷めるもののことをスープといい、愛という。」という言葉にテーマを凝集させている。
そんな小説なのだ。
これからの長く退屈な道中をまぎらわすために、軽い文庫本でも買おうかと思った僕は、何故か作者も知らないその本を、文庫本の山の中から掴んでいた。
それが、佐藤正午の「ジャンプ」だった。
東上線の中で、山手線の中で、そして新幹線の中で、僕は夢中でその本を読んだ。
ある日、主人公のアパートからコンビニに買い物に行った彼女は、それっきり主人公の前から消える。
失踪した彼女を見つけだそうと、主人公はコンビニからの彼女の足跡を辿る。
信じられない偶然の重なりが、彼女を主人公の前から遠くへ、遠くへと連れ去って行った事が分かってくる。
しかし、主人公は彼女を再び、見つけることはできなかった。
次第に彼女の存在が朧になってきた主人公は別の女性と結婚し、子供も出来、平凡だが、幸せな家庭を築く。
そんな主人公が、田舎町に出張に行った時に、ローカル列車のホームで遂に彼女と出会う。
何故、僕の前から姿を消したのかと、彼女をなじり、詰問する主人公。
そして、大きなドンデン返し。
彼女を主人公の前から遠くへ連れ去ったのは、偶然の重なりでもなく、事故でもなく、主人公が犯していた小さな裏切りのせいだったのだ!
サスペンス物ではないのに、ドンデン返しの鮮やかさと、自分が深く意識しないまま行っている些細な行為が、実は大きく人生さえ変えてしまうという皮肉なホロ苦さに、僕は参った。初めて読んだ佐藤正午という作家を、いけてると思った。
この後、立て続けに、僕は佐藤正午の本を読んだ。
風邪を引いて、微熱持ちのベッドの中で「永遠の1/2」を読んだ。僕の一番居心地の良いソファで「Y」を読んだ。そして、ニューヨークへ行く飛行機の中で「彼女について知ることのすべて」を読んだ。
どの本も、とても好きだ。
因みに「ジャンプ」は原田泰三主演で、「永遠の1/2」は大竹しのぶと時任三郎の主演により映画化されている。
そして、今年、「ジャンプ」以来7年ぶりに長篇小説が出版された。
タイトルは「5」。
勿論、読んだ。
この本についてまだ僕は饒舌に語ることは出来ない。考えが、醸造しきれていないのだ。
ただ、言えるのは、とても苦い恋愛小説だということだ。
愛は永遠であって欲しいと願う。
でも、この本は「必ず冷めるもののことをスープと呼び愛と呼ぶ」「冷めないスープはない、冷めない愛はない。冷めるもののことをスープといい、愛という。」という言葉にテーマを凝集させている。
そんな小説なのだ。
楽しみにしてるんで更新頑張って下さいね!
僕のブログではターバン野口の折り方を紹介しています。
暇があったら是非どうぞ。
http://panicblog.blog109.fc2.com/?eid=9365
私もマネっこして、来月はNYへその本をお供に旅立つことにします。
なんせ20時間もかかりますから・・・
長いフライトならジャンプの方が読み易いかもしれません。
僕もニューヨーク行きの飛行機で佐藤正午を読んだので、sato さんが、同じシチュエーションで、この作家を読んで、どんな感想を持ったか是非聞きたいです。
円が安くて、ニューヨークの旅はとても高いものにつくはずなので、為替にはご用心。
思い出すとあの頃に引き戻されそうな気がします
引き戻されるあの頃、あなたはどうしていたのでしようか?
とにかく突っ走ってました
なりふり構わず真っ直ぐ前だけを向いて
尖がってましたよ(笑)
でもあの頃のパワーはもうないですね
丸くなってしまいました
いいのか、悪いのか、分かりませんが