絵本を買った。
絵本を買うのはいつ以来だろう?小学生?
しかし、とおり一辺倒の絵本ではない。作者が村上龍といえば、単純なお子ちゃま向けの絵本でないということは容易に想像つくと思う。
人の中心にある核(コア)…それを人は心とか精神と呼ぶ…は、デリケートで、やわらかく、傷つきやすい。
それを人は色々な形で守っている。そのプロテクトするための手段を、龍さんは「盾・SHIELD」という言葉で象徴させ、この絵本を書いた。
二人の主人公が対比して描かれる。
コジマ(1)…学業優秀で、誰に対しても優等生的に振る舞い、当然のことながら大人から高い評価を得ていた子供だった。しかし、コジマは精一杯優等生を演じるため努力していたのであり、本来はそんなに優秀な頭を持つわけでない。中学、高校と上がるにつれ成績は次第に落ち、そんな自分の能力に失望したコジマは引きこもりになる。
キジマ(1)…コジマとは対照的に根っからのひねくれもの。大人に反抗を繰り返し、問題児扱いされている。しかし、ボクシングを始めたのを契機に、自信をつかんだキジマは素直になり、成績もどんどん上昇していく。
コジマ&キジマ(2)…同じ自動車会社の就職試験を受け、キジマはてきぱきと面接に応え、合格する。一方、コジマはしどろもどろの対応しか出来ず、試験に失敗する。皆が憧れる超大手の自動車会社で、キジマはどんどん出世する。会社に於ける実力者の縁戚の娘とも結婚し、彼の人生は順風満帆だ。
一方、コジマは何をやっても上手くいかない。引きこもりが続く。コジマはシェパードが大好きで、子供の頃から飼っていた。コジマはシェパードの調教師になることを決意する。それまで、どんな職についても上手くいかなかったコジマだが、調教師の仕事は天職か、辛い事にも耐え、調教師としての腕前を磨いていく。
キジマ(3)…高度成長に乗って会社が発展するとともに、キジマも出世する。家も建てる。営業が担当のキジマは宴席、ゴルフという接待の日々を送る。しかし、不況が会社の業績を打撃する。キジマはリストラ対象となり、クビになる。会社「命」で生きてきたキジマはなす術を知らない。家のローンも残っている。家族からも見放される。キジマはホームレスとなる。
コジマ(3)…調教師としての腕を上げ、信頼を勝ち取ったコジマはドイツへのシェパード買い付けの業務も任される。ドイツ語を懸命に勉強し、マスターする。そして、ドイツで知り合った女性と結婚し、静かで優しい家庭を築く。コジマは独立し、自分の調教場を経営するようになる。
龍さんは言う。SHIELDには個人的なものと集団的なものの二つがあるのではないか。個人的なものとはコミュニケーション・スキルとか様々な技術・能力を高めることによって得られる盾。集団的なものとは大企業とか官庁といった権力を持った集団、組織に属することによって得られる盾。そのどちかが良い、悪いと言っているのではない。人はそれを併用して、自分のやわらかくて傷つきやすい核を守っている。
コジマは最初、集団的なものを盾にしていたのであろう。しかし、その盾が脆弱になってシェパードの調教技術、ドイツ語というものを磨き、自分の盾にしていく。
一方、キジマはボクシングを通じ、個人的な盾を得る。しかし、大会社に所属することにより、どんどん集団的な盾に依存するようになる。そして会社という盾を失うことにより自己崩壊する。
内なる傷つきやすい心をなんらかの盾でプロテクトしているのではないかという龍さんの仮説に僕は共感する。
頭の中に鮮明に絵が浮かぶ。僕のやわからな心を騎士が持つような盾が守っている姿を。
今、思う。僕の盾がどんどん弱くなっていることを。
時々、槍のような悪意(それは無意識のものであったり、意識的なものであったりする)が、僕の盾を容易に突き破って、こころに突き刺さる。
やわらかな心からは、鮮血が迸る。
「どんなタフな男でも、一人になったときはベッドで泣く」
そんな日々が多くなったのは、何故だろう。
絵本を買うのはいつ以来だろう?小学生?
しかし、とおり一辺倒の絵本ではない。作者が村上龍といえば、単純なお子ちゃま向けの絵本でないということは容易に想像つくと思う。
人の中心にある核(コア)…それを人は心とか精神と呼ぶ…は、デリケートで、やわらかく、傷つきやすい。
それを人は色々な形で守っている。そのプロテクトするための手段を、龍さんは「盾・SHIELD」という言葉で象徴させ、この絵本を書いた。
二人の主人公が対比して描かれる。
コジマ(1)…学業優秀で、誰に対しても優等生的に振る舞い、当然のことながら大人から高い評価を得ていた子供だった。しかし、コジマは精一杯優等生を演じるため努力していたのであり、本来はそんなに優秀な頭を持つわけでない。中学、高校と上がるにつれ成績は次第に落ち、そんな自分の能力に失望したコジマは引きこもりになる。
キジマ(1)…コジマとは対照的に根っからのひねくれもの。大人に反抗を繰り返し、問題児扱いされている。しかし、ボクシングを始めたのを契機に、自信をつかんだキジマは素直になり、成績もどんどん上昇していく。
コジマ&キジマ(2)…同じ自動車会社の就職試験を受け、キジマはてきぱきと面接に応え、合格する。一方、コジマはしどろもどろの対応しか出来ず、試験に失敗する。皆が憧れる超大手の自動車会社で、キジマはどんどん出世する。会社に於ける実力者の縁戚の娘とも結婚し、彼の人生は順風満帆だ。
一方、コジマは何をやっても上手くいかない。引きこもりが続く。コジマはシェパードが大好きで、子供の頃から飼っていた。コジマはシェパードの調教師になることを決意する。それまで、どんな職についても上手くいかなかったコジマだが、調教師の仕事は天職か、辛い事にも耐え、調教師としての腕前を磨いていく。
キジマ(3)…高度成長に乗って会社が発展するとともに、キジマも出世する。家も建てる。営業が担当のキジマは宴席、ゴルフという接待の日々を送る。しかし、不況が会社の業績を打撃する。キジマはリストラ対象となり、クビになる。会社「命」で生きてきたキジマはなす術を知らない。家のローンも残っている。家族からも見放される。キジマはホームレスとなる。
コジマ(3)…調教師としての腕を上げ、信頼を勝ち取ったコジマはドイツへのシェパード買い付けの業務も任される。ドイツ語を懸命に勉強し、マスターする。そして、ドイツで知り合った女性と結婚し、静かで優しい家庭を築く。コジマは独立し、自分の調教場を経営するようになる。
龍さんは言う。SHIELDには個人的なものと集団的なものの二つがあるのではないか。個人的なものとはコミュニケーション・スキルとか様々な技術・能力を高めることによって得られる盾。集団的なものとは大企業とか官庁といった権力を持った集団、組織に属することによって得られる盾。そのどちかが良い、悪いと言っているのではない。人はそれを併用して、自分のやわらかくて傷つきやすい核を守っている。
コジマは最初、集団的なものを盾にしていたのであろう。しかし、その盾が脆弱になってシェパードの調教技術、ドイツ語というものを磨き、自分の盾にしていく。
一方、キジマはボクシングを通じ、個人的な盾を得る。しかし、大会社に所属することにより、どんどん集団的な盾に依存するようになる。そして会社という盾を失うことにより自己崩壊する。
内なる傷つきやすい心をなんらかの盾でプロテクトしているのではないかという龍さんの仮説に僕は共感する。
頭の中に鮮明に絵が浮かぶ。僕のやわからな心を騎士が持つような盾が守っている姿を。
今、思う。僕の盾がどんどん弱くなっていることを。
時々、槍のような悪意(それは無意識のものであったり、意識的なものであったりする)が、僕の盾を容易に突き破って、こころに突き刺さる。
やわらかな心からは、鮮血が迸る。
「どんなタフな男でも、一人になったときはベッドで泣く」
そんな日々が多くなったのは、何故だろう。
今日、僕は「おとなの塗絵」という本を買いました。
又、久しぶりに筆をとってみようかなと思いました。
kazu
どちらかにたとえる事も出来ませんが私も完璧なる盾を持っていました。
でも、壊れました。去年の事です。
自分で自分の中に作り上げてきた物が壊れていく怖さと辛さ。言い表しようのないものでした。
どうすればいいのか迷い、悩み、考え、そして新しい盾を作る事にしました。
今、その真っ最中です。
しかし分かっています。きっと前よりも壊れにくい強力な盾が出来上がることを。
なぜなら、一度壊れた物を作り直す時には、その経験が練り込まれているから。
タフなのは盾。貴方ではありません。
盾が無くなれば泣く事だってある。
では、前よりももっと強い盾を創ってみましょう。
柔らかな心を包んであげなくては壊れてしまう。
その前に・・・・
私の盾が出来上がったらきっとお見せします。
前以上に自分の生き様にあった縦が出来上がったら・・・
コジマとキジマ。
どちらかにたとえる事も出来ませんが私も完璧なる盾を持っていました。
でも、壊れました。去年の事です。
自分で自分の中に作り上げてきた物が壊れていく怖さと辛さ。言い表しようのないものでした。
どうすればいいのか迷い、悩み、考え、そして新しい盾を作る事にしました。
今、その真っ最中です。
しかし分かっています。きっと前よりも壊れにくい強力な盾が出来上がることを。
なぜなら、一度壊れた物を作り直す時には、その経験が練り込まれているから。
タフなのは盾。貴方ではありません。
盾が無くなれば泣く事だってある。
では、前よりももっと強い盾を創ってみましょう。
柔らかな心を包んであげなくては壊れてしまう。
その前に・・・・
私の盾が出来上がったらきっとお見せします。
前以上に自分の生き様にあった縦が出来上がったら・・・