我が家の隣はゴルフ場であった。
30年以上前に営業をやめて放置された場所は
原生林がお生い茂り未開のジャングルのようになっている。
数年前にクルーズ船から降りてくる外国人むけに
アウトレットモールとリゾートマンションが建設されることに
なって広く伐採された。
宮古バブルといわれた全盛期であったが、コロナ騒ぎで
建設が中断された。
伐採されたところは元の原生林に戻ってしまった。
渡鳥のサシバが渡りをやめて数羽が住み着いているし、
夜になればさまざまな生き物の鳴き声が聞こえてくる。
そんな原生林の近くを夜明け前に散歩していると
オカガニが歩いていた。
オカガニは陸上で暮らすカニである。
普段は海岸林の中に巣穴を掘って、主に夜に行動する。
臆病な生き物で人の気配がすると逃げるが、逃げるそぶり
もなく、まるで強い意志を持って目的地にむかっているようだった。
ちょうど大潮でオカガニは放卵するため海にむかう。
海までの距離は最短でも200m以上ある。
放卵するためには引き潮にかわる前までに海岸に
到着しなければならない。
オカガニの放卵で有名なのが池間島で
5月〜10月頃まで見られる。
最も活発になるのが6月7月でピーク時には道路上に
数百匹以上現れる。
オカガニ見学ツアーなどもやっているようだ。
年々開発が進み海までの道のりが厳しくなっている。