子供の頃よく聞かされた昔話の一つに「浦島太郎」の浦島伝説がある。
浦島伝説は北は北海道から南は沖縄まで日本全国40ヵ所あまりの地に
伝えられている。中でも豊岡日和山海岸の小さな島では、ここで浦島太郎が
玉手箱を開けた地として有名だ。
実は、この宮古島が浦島伝説発祥の地とささやかれている。
昔、人頭税石のすぐ近くの荷川取村にマサリャという漁師がいた。
ある日、漁に出て大きなエイ釣れた。
そのエイはたちまち美しい女性に変わり、マサリャ一目惚れして夫婦の契りを結ぶが、
女は海へと戻って行ってしまった。
それから2〜3ヶ月後、同じ場所で釣りをしていると2〜3才の子供3人が
どこからともなく現れて「母使いで父を竜宮まで案内するためにきた。」
という。そして子供の案内でマサリャは竜宮へ、迎えにでたのは
間違いなくあの時の美女。
そこで飲めや歌えや、踊れやと三日三晩、酒や料理でもてなされた。
そして別れの際、女は涙を流して
「これをいつまでも私と思って大切にしてください。」と瑠璃色の壺をもらった。
家に戻ってきたが竜宮での三日三晩はこの世の3年3ヶ月だった。
瑠璃色の壺には神酒が入っており、飲んでも飲んでもつきることはなかった。
これを飲んだものは無病息災で長生きしたため、マサリャは家宝として
秘密にしていたが、やがて村中の噂となり大勢の村人が押しかけて
くるようになる。マサリャはいつのまにか贅沢になり
思い上がるようになる。
「この酒も朝晩同じ味で、もう飲み飽きた。」と言った途端に壺は白鳥となり
天に舞い上がり消えてしまったと伝えられている。
そう、本土で伝わる浦島伝説の結幕を知っているだろうか?
確か、浦島太郎は玉手箱を開けて年をとり鶴なって
天に舞い上がるといのが結幕だった。
元祖浦島伝説はこの宮古島なのかも…