16世紀の初め、宮古を支配していたのが仲宗根豊見親(ナカソネ トゥユミヤ)
である。彼は八重山のアカハチ征伐や与那国の鬼虎征伐の先導役を務め、
首里王府から宮古島の頭(かしら)に任命された人物。
この英雄にはフカに助けられた伝説が残されている。
1522年、豊見親は泉の中から見つかった宝剣治金丸を首里城の尚真王に献上した。
その帰りに運悪く嵐に遭遇して、船は八重山まで流されて沈没した。
豊見親が荒れ狂う海で溺れかけたとき、突然大きなフカが現れて、
彼を背のせて岸辺まで運んだという。
また豊見親の遠い祖先にもフカに助けられた人がおり、今でも仲宗根家では
サメの肉は食べないそうだ。
フカに助けられたという話しは沖縄各地に残っている。