昔、沖縄では子供が産まれると一斗の瓶に泡盛を漬けて、
子供が成長して結婚する時にその泡盛を振るまったという。
時と共に熟成していく古酒のように、二人の間柄が末長く
幸せであるようにという思いから
今でも結婚祝いに古酒を持って行く習慣が残っている。
泡盛は熟成させるほど味わい深くなるという特徴がある。
一般的に3年以上熟成させた泡盛を古酒(クース)という。
2015年 「泡盛古酒の表示基準について、3年以上
貯蔵した泡盛が総量の51%から全量の100%と改める」
という法改正があった。
どういうことかというと、泡盛の古酒には「5年」「10年」
などと年数をきちんとと表記したものと、ただ単に
「古酒」とだけ表記されたものがある。
年数が表記されていないのは3年未満の泡盛が
ブレンドされていないから。
それまでは3年以上貯蔵した泡盛が全量の51%入っていれば
古酒と表記されていたが法改正により100%ではなければ
ならないということになった。
こんな話しを聞くと、それまでは混ざり物であったと
誤解される人もいる。本来泡盛を熟成させるということは、
ベテランの杜氏さんが頃合いを見てブレンドを重ねて行く。
これを泡盛を育てるという。
泡盛は回りの環境の変化に大きく左右されるそうだ。
宮古島では洞窟の中や一定の環境下で熟成させる。
酒造所に見学に行くと運がよければ30年以上熟成させた泡盛を
口にすることができる。
試飲させていただいたが、泡盛とはかけ離れた風味だった。
現在、一番古い古酒は沖縄本島の識名酒造が持つ
150年ものが記録されている。