1995年3月13日に来間大橋が開通した。全長1690mで農道としては日本最長の橋である。
来間島は一周約9キロ、人口158人(2022年)の小さな丸い形をした島である。
現在は島の中心に大きなリゾートホテルがあり、橋が開通したことで、
島外の人がたくさん出入りしている。
来間に住む友達が「昔はオバァが牛の糞を一輪車にのせて運んでいた道を
今は観光客のお姉さんがキャスターバックを転がしながら歩いているさぁ」
と言っていた。
橋がかかる前は謎の島だった。
飛行機で降りてくるときに風向きによって来間島の上空を飛んで来る。
そのときに集落の一部が見えるが、島内がどのようになっているのか
島外の人には知ることもなかった。
今はたくさんの人が出入りしている。
来間島では毎年旧暦9月の甲午の日と翌日の二日間、子孫や集落の繁栄を祈願する
ヤーマスプナカという祭事が行われる。
ヤーは家、マスは増す、プナカは大きな庭の意味。
来間島に伝わる始祖伝説に由来する。
川満集落のキサマ按司の娘が朝の太陽を受けて孕み、3年目に卵を3つ産み、
卵からかえったのは3人の大きな男の子で、大食いでたちまち成長し、
按司の教えで来間島に渡っていった。島は祭事を怠っていたために島人は赤牛に
食べられて無人となっていた。
3人の兄弟は赤牛と格闘して打ち負かして片角をもぎ取る。
逃げた赤牛を追って海の底の神の家を訪ね、片耳の無い神(赤牛=豊穣神)と会い、
角を返して祭事を行う約束をする。
それがヤーマスプナカの始まりと伝えられている。