沖縄では冬から春に移行する旧暦2月頃、「ニンガチ・カジマーイ」と呼ばれる
海の荒れる日がある。季節が冬から春にかわっていくと、西高東低の
「冬型気圧配置」は長く続かなくなり移動性高気圧と低気圧が短い周期で
沖縄付近を通過するようになる。
このころ、ときおり天気図上で台湾付近に等圧線がタコの頭のように
北にもりあがり低気圧が発生して沖縄地方を通過することがある。
この低気圧は「東シナ海低気圧」と呼ばれており、ひとたび発生すると
急激に発達する。また、進行速度も速いため、天気の変化が早く、
強い風が吹き大荒れの天気となることがある。
ときには20m以上の風速や突風をともないながら吹きつけ、穏やかだった
南よりの風から北風にかわって猛烈に吹きつける。
平成18年3月に沖縄本島のダイビングスポットで、全線通過にともなう
風の急変により平穏で凪の状態から20mを超す風が吹きつけて、
ダイバーが高波にさらわれた。幸いにも全員救助されたが運が良かった
といえるだろう。
その後も毎年、この時期には船が吹きつける風に翻弄されてリーフに
のしあげ座礁する事故が後をたたない。
先月も時期早く突然の風まわりが起こった。
風が変わることは予報で知っていたが、予報より吹き始めるのが早かった。
途中で中断して中止したが、この風で事故に巻き込まれた船もあったそうだ。