海では助け合うのが「シーマンシップ」と習った。
ところかわれば… 「助けてはいけない!」
と言われたら戸惑ってしまう。
誤解をまねきそう。
漁に出ようと港を出たところでエンジントラブルが
起こった。すぐに漁に出る船が出てきたので、
港の中まで曳航してもらった。
助けてくれた船は、その日の漁には出てはいけない。
本来なら漁に出ていたはずであるが、
「行くな!」という警告。
溺死体を発見した人、溺死体に触れた人、
溺れかかった人を助けた人、海で遭難しかけて助かった人、
遭難している人を助けた人、サメに襲われて助かった人、
命にかかわる災難にあって助かった人は、
ある儀式を受けなければならない。
この儀式をワーガンニガイという。
ユタを呼んで豚を一頭捧げるという儀式。
長く沖縄の海で生活していると、実際に何度かこの儀式を
経験したことがある。
漁に出た船が帰る時間がとっくに過ぎているのに
戻ってこない。船を出して探しに行ってくれと
いうことがある。
探しにに出る前にみんなで集まって、誰が豚の費用を
出すのかという話しから始まる。
これはホントは竜宮 ニライカナイに連れて行かれるはずで
あった人を邪魔をしてしまったということになり、そのかわりに
人間のかわりに豚を身代わりに捧げるというもの。
この風習は今でも続いている。