南米パラグアイで開かれたユネスコ政府委員会で、
日本が提案した日本酒や焼酎、泡盛といった日本の「伝統酒造り」について
審議した結果、全会一致で無形文化遺産への登録が決まったと報道されていた。
500年以上前に原型が確立した日本の「伝統酒造り」は、
米や麹を蒸す、麹を作る、もろみを発酵させるなど、伝統的技術が各地の風土に
応じて発展し、自然や気候と深く結びつきながら伝承されてきた。
こうした技術で製造される酒は、儀式や祭事に使われ、日本の文化に不可欠な役割を
はたしてきた。
今回の泡盛ユネスコ登録は、沖縄で大きなニュースとなっている。
昔から泡盛はあったが、今ほどポピュラーなお酒ではなかった。
オジィが晩酌に泡盛の2合瓶を飲むのは日常であったが、
飲み屋さんで飲むのはウィスキーが主流だった。
米軍統治が長かったのと免税で安かったからだろう。
沖縄に訪れる観光客が増えることによって泡盛が飲まれるようになった。
祝いや祭事には欠かせない泡盛であったが、一般に島の人が飲み屋で
飲むのは洋酒の方が多かった。今は泡盛が主流で飲み屋で座れば目の前に
泡盛とピッチャー(水入れ)がドンと置かれる。
島では少し前まで、テーブルチャージというシステムはなく
ボトルをキープするといった習慣がなかった。
オトーリという飲み方で酒のボトルは飲み切るのが普通で、
無くなればお開きとなる。テーブルチャージのシステムがないので余った
ボトルをキープして次にそのボトルを飲むだけなら料金は発生しない。
今はそういうわけにはいかないが、飲屋街や市内のメイン通りを歩くと
「泡盛飲み放題」と」いう看板をよく見かける。