コロナ 出口は見えるか（日経20200506より）

新型コロナウイルスの感染拡大で世界は大恐慌以来の危機の淵に立つ。
経済は当面は以前の水準に届かず「水面下」の低飛行が続く公算が大きい。
医療体制の整備などでウイルスへの耐性を高めつつ活力を取り戻す工夫が要る。
ニューノーマル（新常態）への適応力が問われる。

新型コロナウイルスの感染者数は世界で350万人を超えた。
治療薬やワクチンの開発は急ピッチだが、なお途上だ。
今は移動制限しか封じ込めの手立てがない。
感染抑止と引き換えに経済の首根っこを押さえる「ロックダウン」（首都封鎖）のような劇薬に頼り続けるわけにはいかない。

見えてきたのは感染の再拡大を防ぐため封鎖の解除後も人々の生活や経済活動に一定の制約を求める新常態だ。

国際通貨基金（ＩＭＦ）のゲオルギエバ専務理事が「大恐慌以来、最悪の不況」と語るコロナ危機。

経済を正常軌道に近づけるにはまず検査の強化で感染再拡大のリスクを最小限に抑えなければならない。

ほぼ停止状態にある企業活動を少しずつでも出口に近づけていかなければ、経済は底割れしかねない。

危機を乗り越えたとしても以前と全く同じ風景が戻るとは限らない。

ウイルスと持久戦を続けながら「水面下」の経済を立ち上げ直す。
新常態への適応力をいち早く確立した企業こそがポストコロナの世界のけん引役になるはずだ。

～新常態へ適応力試す～
～制限緩和でも感染抑止優先～
～「水面下」経済　長期化も～