(1)MAK127SPとSV305を用いた直焦点撮影概要
・撮影対象
土星[9]
・機材
望遠鏡:MAK127SP 1500mm F12[1-4]
ファインダ:AstroStreet 8x50mm 90°正立像ファインダ
イメージセンサ:SV305[5-8]
架台:ポルタ経緯台
・画像処理
パソコン:WindowsノートPC(Core i5 2.30GHz 、8GB、240GB-SSD)
イメージキャプチャ:SharpCap3.2[10] 撮影時間:約30秒(約900フレーム)、aviファイル
スタック処理:AS!3(AutoStakkert!3)[11] 取り込みフレームの品質上位50%をスタック
Wavelet処理:RegiStax6[12-13] AS!3からの出力画像(tif)をWavelet処理
後処理:ImageMagick[14] bmp→jpg変換、トリミング処理
画像解析:マカリ[18-19] グラフ機能
(2)土星の撮影結果(上が北)
2021-08-10 22:20 土星(等級:0.3、視半径:9.3")[15]
SV305, MAK127SP 1500mm F12
SV305, Gain 30, Exp. 22.9ms, WB(B=212 G=100 R=125), 1920x1080, RGB24, 30fps
2020-08-07 22:43 土星(等級:0.2、視半径:9.2")[15,23]
SV305, MAK127SP 1500mm F12
SV305, Gain 30, Exp. 54.7ms, WB(B=235 G=100 R=131), 1920x1080, RGB24, 30fps
※比較のため、2020年の土星の撮影結果を示す
・口径:127mm
・ドーズの分解能:0.91"[16]
・イメージセンサ分解能:0.80"相当[16]
(イメージセンサ画素ピッチ:2.9μm[17])
(3)土星の環の傾斜角の試算
土星の環[25]の傾斜角:θを、その長径:D1と短径:D2を測定し、次式で試算した[20]。
θ=arccos(D2/D1)
ここでは、土星の環が円に見えるときの傾斜角を0°、環が消失するときを90°と定義した。
マカリでの土星の環の長径と短径の測定画面例
上:長径測定例、下:短径測定例、中心と異なるため結果に補正が必要
2020年と2021年の土星の環の傾斜角の試算結果は、次の通りである。
2020年:65°=arccos(46 pix/110 pix)
2021年:68°=arccos(43 pix/117 pix)
土星の環の傾斜角が、65°から68°へと1年間で約3°増加していることがわかった。
(4)まとめ
MAK127SPにSV305を取り付けて、土星の直焦点撮影を試みた。
撮影データのスタック処理にAS!3を用い、その後のWavelet処理にRegiStax6を用いた。
さらに土星の環の傾斜角の試算を行った。
加えて、2020年の土星の撮影結果と比較し、その環の傾斜角が65°から68°へと1年間で約3°増加していることを確認した。
参考文献:
(1)Maksutov Cassegrains
(2)マクストフカセグレン式望遠鏡-Wikipedia
(3)Sky-Watcher-Wikipedia
(4)Sky-Watcher Global Website
(5)SV305デジアイピースの使用方法
(6)SVBONY SV305 取扱説明書
(7)Svbony SV305 Camera FAQ
(8)SVBONY
(9)土星-Wikipedia
(10)SharpCap
(11)AUTOSTAKKERT!
(12)RegiStax6
(13)RegiStax-Wikipedia
(14)ImageMagick
(15)今日のほしぞら
(16)望遠デジタルカメラの分解能-goo blog
(17)IMX290NQV
(18)すばる画像解析ソフト-Makali`i-配布サイト
(19)マカリ:Makali`i 超入門編(マニュアル)
(20)鈴木文二・洞口俊博 編、あなたもできるデジカメ天文学 "マカリ"パーフェクト・マニュアル、発行所 恒星社恒星閣、2015年11月15日初版1刷発行、pp.12-13.
(21)MAK127SPとSV305を用いた直焦点撮影-goo blog
(22)MAK127SPとSV305を用いた直焦点撮影(2)-goo blog
(23)MAK127SPとSV305を用いた直焦点撮影(21)-goo blog
(24)Saturn's Satellites
(25)土星の環-Wikipedia
(26)特集 2021年 土星-天体写真ギャラリー
・撮影対象
土星[9]
・機材
望遠鏡:MAK127SP 1500mm F12[1-4]
ファインダ:AstroStreet 8x50mm 90°正立像ファインダ
イメージセンサ:SV305[5-8]
架台:ポルタ経緯台
・画像処理
パソコン:WindowsノートPC(Core i5 2.30GHz 、8GB、240GB-SSD)
イメージキャプチャ:SharpCap3.2[10] 撮影時間:約30秒(約900フレーム)、aviファイル
スタック処理:AS!3(AutoStakkert!3)[11] 取り込みフレームの品質上位50%をスタック
Wavelet処理:RegiStax6[12-13] AS!3からの出力画像(tif)をWavelet処理
後処理:ImageMagick[14] bmp→jpg変換、トリミング処理
画像解析:マカリ[18-19] グラフ機能
(2)土星の撮影結果(上が北)
2021-08-10 22:20 土星(等級:0.3、視半径:9.3")[15]
SV305, MAK127SP 1500mm F12
SV305, Gain 30, Exp. 22.9ms, WB(B=212 G=100 R=125), 1920x1080, RGB24, 30fps
2020-08-07 22:43 土星(等級:0.2、視半径:9.2")[15,23]
SV305, MAK127SP 1500mm F12
SV305, Gain 30, Exp. 54.7ms, WB(B=235 G=100 R=131), 1920x1080, RGB24, 30fps
※比較のため、2020年の土星の撮影結果を示す
・口径:127mm
・ドーズの分解能:0.91"[16]
・イメージセンサ分解能:0.80"相当[16]
(イメージセンサ画素ピッチ:2.9μm[17])
(3)土星の環の傾斜角の試算
土星の環[25]の傾斜角:θを、その長径:D1と短径:D2を測定し、次式で試算した[20]。
θ=arccos(D2/D1)
ここでは、土星の環が円に見えるときの傾斜角を0°、環が消失するときを90°と定義した。
マカリでの土星の環の長径と短径の測定画面例
上:長径測定例、下:短径測定例、中心と異なるため結果に補正が必要
2020年と2021年の土星の環の傾斜角の試算結果は、次の通りである。
2020年:65°=arccos(46 pix/110 pix)
2021年:68°=arccos(43 pix/117 pix)
土星の環の傾斜角が、65°から68°へと1年間で約3°増加していることがわかった。
(4)まとめ
MAK127SPにSV305を取り付けて、土星の直焦点撮影を試みた。
撮影データのスタック処理にAS!3を用い、その後のWavelet処理にRegiStax6を用いた。
さらに土星の環の傾斜角の試算を行った。
加えて、2020年の土星の撮影結果と比較し、その環の傾斜角が65°から68°へと1年間で約3°増加していることを確認した。
参考文献:
(1)Maksutov Cassegrains
(2)マクストフカセグレン式望遠鏡-Wikipedia
(3)Sky-Watcher-Wikipedia
(4)Sky-Watcher Global Website
(5)SV305デジアイピースの使用方法
(6)SVBONY SV305 取扱説明書
(7)Svbony SV305 Camera FAQ
(8)SVBONY
(9)土星-Wikipedia
(10)SharpCap
(11)AUTOSTAKKERT!
(12)RegiStax6
(13)RegiStax-Wikipedia
(14)ImageMagick
(15)今日のほしぞら
(16)望遠デジタルカメラの分解能-goo blog
(17)IMX290NQV
(18)すばる画像解析ソフト-Makali`i-配布サイト
(19)マカリ:Makali`i 超入門編(マニュアル)
(20)鈴木文二・洞口俊博 編、あなたもできるデジカメ天文学 "マカリ"パーフェクト・マニュアル、発行所 恒星社恒星閣、2015年11月15日初版1刷発行、pp.12-13.
(21)MAK127SPとSV305を用いた直焦点撮影-goo blog
(22)MAK127SPとSV305を用いた直焦点撮影(2)-goo blog
(23)MAK127SPとSV305を用いた直焦点撮影(21)-goo blog
(24)Saturn's Satellites
(25)土星の環-Wikipedia
(26)特集 2021年 土星-天体写真ギャラリー
昨夜も思いましたが、今日も凄い写真ですね。本当に驚愕、驚嘆しています。器材は詳しくてさっぱり分かりませんが映像だけは分かります。怒られそうですが「本物ですか?」と聞きたくなります(笑)
更に土星の環の傾斜角なんて凄いことも書いてあって尊敬しています。お近くにいらっしゃったら覗かせて欲しい気持ちが一杯です。若い時は「スターウオーズ」や「スタートレック」等SFものは大好きでした。昨夜と今日の写真は凄いです。質問ですが大学の先生ですか?
コメント、ありがとうございます。
機材は安価な台湾製を利用していますが、都内のベランダで撮影した木星と土星の画像は「本物です」。
私は、昨年の火星の接近をきっかけに望遠鏡を購入したアマチュア初心者です。
最近のデジタルカメラ(CMOSイメージセンサ)や画像処理ソフトの進歩により、私のような初心者にも容易に天体写真を楽しむことができます。
ご質問の件ですが、私は普通の会社員で、大学の先生ではありません。
自分では高校・天文部レベルを目指して、ベランダで天体観察を楽しんでいます。
よろしくお願いします。
土星写真と環傾斜角度の計算、拝見しました。
観測値から角度計算されたのですね。観測値から環の傾斜角度計算するアイデアがいいでね。
一つ傾斜角度の計算式で疑問です。
環が見えなくなる角度を0度(水平)としますと、環が真円とみなして環の長辺(長径)と短辺(短径)の測定値から傾斜角度θを求める計算式は次のようになると思います。
θ=arc sin(短辺/長辺)
貴殿の長辺、短辺の測定値を用いて計算しますと、
傾斜角度θは、2020年が24.7度、2021年が21.6度となります。
1年で3.1度傾斜角度が小さくなったことになります。来年以降は更に傾斜角度が小さくなり、環が水平(傾斜角度0度)になって見えない年があります。
大変恐縮ですが、一度、計算式を見直して頂きますようよろしくお願いします。(arc cosではないと思います)
また、土星と木星の写真もシーイングの良い日にどんどん撮影して頂きますようお願いします。
追記します。
土星の環の観えなくなる年をステラナビゲータ11ソフトで調べました。
その結果、2024年7月から8月頃に傾斜角度0度になり、環が観えない時があります。3年後です。
以上、参考によろしくお願いします。
いつもコメント、ありがとうございます。
8月10日は、月もなく星空はきれいでしたが、発達中の低気圧通過後でしたので、強風もあり、シーイングは良好ではありませんでした。
ブログでの土星の環の傾斜角ですが、参考文献[20]の「アンドロメダ銀河の傾き」の定義を参考にしています。
ご指摘の点は、定義の違いによるもので、本質的な差異はないと思いますので、誤解の無いようブログに補足コメントを追記させていただきました。
また、土星の環の観えなくなる年についての貴重なコメント、ありがとうございます。
土星は、木星に比較してみかけの変化がわずかなようですので、今後も細かい変化に留意して観察を続けていきたいと思います。
引き続き、ご指導よろしくお願いいたします。