ウルトラマンブレーザー
第20話「虫の音の夜」は、そのサブタイトルがピッタリだな、と思う感動要素が強めなストーリー展開でした。
今回のメインは、普段、地味・・・と言っちゃ失礼か・・・縁の下の力持ち、痒い所に手が届くサポーターとしていい働きをしてくれている副隊長のテルアキさん。前回のやらかしの罰も含んでいるのか、子供達用の観劇に演者として参加する事になってしまった「SKaRD」の面々。さすがと言うべきなのか、皆さん、大根役者の演技がお上手でいらっしゃる。そんな折に、テルアキさんへ兄からかかってきた電話の内容、それは、父が倒れた、と衝撃的なもの。
大慌てで帰って見れば、ピンピンとまではいかないにしろ、テルアキさんの父は自分の足で歩けていた。もう歩けるまでに回復したのかと思いきや、どうやら、それは、テルアキさんを実家に呼び出すための方便だったようです。見合いをさせるのが目的なのかな、と思いきや、そうじゃないらしい。どうやら、昨今、怪獣の出現が激しくなっている事で、怪獣と深く関わっているっつーか、戦っている息子の身を案じているらしい。兄から、父が、最近、勃発している畑荒らしで心労が祟り、本当に倒れた、と聞いたテルアキさんは、父がいつの間にか、自分が思っているよりも弱くなっている事を実感したようだ。それでも、自分の仕事に対して誇りを持っているからこそ、「SKaRD」を辞めるって選択肢は絶対にない。
どうすれば、父を納得させられるだろうか、と悩みながら、テルアキさんが父と共に山中を歩いていると、記憶にない洞窟を発見。どう見ても、怪しいが過ぎる。何かがいる、と判断したテルアキさんへ襲い掛かってきたのは、一連の畑荒らしの犯人である地底甲獣・ズグガンの幼体・・・キモが強めなキモ可愛い見た目だなぁ。ゲントたちがすんでの所で駆けつけてくれたおかげで、どうにか、命は助かったテルアキさんは、早速、調査を開始し、洞窟がズグガンの巣穴になっている事を突き止める。市街地ではないにしろ、人が住んでいる場所が近い以上は、外側から洞窟を吹っ飛ばせないので、内部にアースガロンへ潜入し、片っ端から、ズグガンの幼体をアースガンで撃っていくしかない。これはこれで、アンリさんじゃなくても、結構、精神に来そうだ。
そんな折、親のズグガンが現れ、アースガロンと戦闘へ突入。善戦はしていたんだが、一瞬の隙を突かれて大ダメージを受けてしまった上に、粘液で動きを封じられてしまう。続けて、ブレーザーもズグガンと戦うが、住処と卵を守る為に必死になっているのか、相当に手強い。実際んとこ、ズグガンは、畑に被害こそ出しているが、それは、自分達が生きるために必要な事。人間を餌にしていないし、建築物も派手にぶっ壊しちゃいない。しかし、共生が出来るかっつーと微妙、いや、無理。である以上、人間は、自分達の暮らしを守るために、ズグガンを駆逐するしかない。テルアキさんが卵に向かって、プラスチック爆弾を投げる際に謝っていたのは、実に印象深かったですね。ラストで、テルアキさんのお父さんが、息子がズグガン殺しの咎を背負ってまで守ってくれた畑の土を抱え、声を震わせ、感謝していたのは、もう、グッと来ましたわ。
王様戦隊キングオージャー
第45話「王を継ぐ者たち」は、ミノンガンの能力の所為でカオスになったからこそ、余計に、カグラギとスズメの家族としての絆、リタとモルフォーニャの友情かつ主従関係にグッと来るストーリー展開になっていましたね。
前回、ヤンマがヒルビルによる洗脳でおかしくなっていたとは言え、力を暴走させてしまった事を反省し、王が持つ兄弟過ぎる力を一つに束ねるべく、真なる六王国同盟を締結させたギラたち。これで一つになったからこそ、ギラは守ってばかりではなく、攻めてこそ勝利と平和は掴める、と発言。もちろん、それに反対する王たちはいません。とは言え、まずは、自分達が、どれほどの力を得て、コントロールが可能なのか、を確認するのが最優先。さすがに、ぶっつけ本番で使うには危険が過ぎる。それは、案の定で、カグラギの王の証に宿る力は彼を火達磨にし、リタの王の証に宿る力は彼女を氷漬けにしてしまった。
赤鬼のようになってしまったカグラギが、イチャつくラクレスとスズメの姿に、笑いながらも馬鹿力のコントロールが出来ず、氷塊を粉々にしてしまうくだりは笑えましたね。ラクレスの事は王としても、男としても、人としても尊敬の念は抱いているけど、義弟って目で見ると、自分の可愛い妹と仲良しな様には苛立っちゃうんだな。今のカグラギを、イロキ様が見たら、さすがに、いい加減、妹離れせよ、とガチ説教が入るんじゃないか?
そんな折に、ヒルビルを倒された怒りで、ただでさえ低い知能がダダ下がっているミノンガンが攻めて来てしまったから、さぁ、大変。ゴチャゴチャ考えず、本能に任せて攻撃してくるタイプながらも、決して、バカじゃないミノンガン。しかも、下手に真っ二つにしてしまうと、新しいダグデドを誕生させかねない。どうしたらいいんだ、と迷ってしまったのがマズかった。ミノンガンの時間操作によって、ギラ、ヤンマ、ヒメノは精神だけを幼児に戻され、スズメとモルフォーニャは10年分の記憶を失う結果に。ギラたちが戦力外になってしまっただけでもマズいが、スズメはラクレスへの愛を忘れ、モルフォーニャは手癖が悪かった頃に戻ってしまったのも、より一層、事態を悪化させてしまった。
カグラギはスズメを、リタはモルフォーニャを、自分の後継者にしたい、と考えていたが、こうなった事で、それが正しいのか、と考え直していた。カグラギにトウフの住人になっていい、と言われ、一度は喜んだモルフォーニャだったが、彼女の中には、罪人の子と言うレッテルを剥がせるゴッカンの国王になりたい、そんな望みが宿っていた。一方で、兄の跡を告げるのは自分しかいない、と考えているスズメの中にも、本当に心から愛せる人と一生、添い遂げたい、乙女らしい夢があった。こんなカオスな状況だからこそ、ようやく、自分すら偽るカグラギと自分の心を閉ざしてきたリタは、自分の本心に気付けたんでしょうね。炎と氷、二つの力を使って、互いへのダメージを0にした事で、ミノンガンの封印に成功する。それにより、スズメはラクレスへの愛を取り戻して兄の元を離れ、モルフォーニャは野望を思い出して友と前に進む。
仮面ライダーガッチャード
第19話「りんねの夜明け!変身・マジェード!」は、サブタイトルに入っている通り、ヒロインであるりんねがメインを張るストーリー展開になっていましたね。脚本が、井上敏樹先生の娘さんである井上亜樹子さんってのも激熱い。
志を一つに、「キッチンいちのせ」を拠点とした連合を立ち上げ、アカデミーへのカチコミをしよう、と気合を燃やす宝太郎たちに対し、りんねは少し落ち着き、ルールを守ることの大切さを諭す。それは尤もなことながら、ルールに従うのであれば、りんねは、ミナト先生に指輪を渡せ、と迫られた際に渡すのが筋だった。にも関わらず、それを拒んだ。どうして、自分が指輪を渡さなかったのか、その理由は自分でも解っている。尊敬する父から、錬金術師の信念と共に託されたものだからだ。
ルールは守るべきなのに守れない自分に逡巡するりんねの前に、再び、姿を見せたのが、ミナト先生。それでも、やはり、りんねは指輪を渡せない、と突っ撥ねる、感情的になって。りんねを守るべく、同時に、ミナト先生の本心を問い質すべく、宝太郎はガッチャードに変身し、ドレッドと戦う。変身者と仮面ライダーとしてのスペック差を考えると、ガッチャードとドレッドは、ほぼ互角。実際、宝太郎が本気で倒す気になれば、圧倒できたはずだけど、変身者がミナト先生って事もあってか、攻撃に精彩を欠いてしまっている。それでも、このままじゃ負けるってとこまで追い込まれりゃ、やるしかない、と肚も座り、ガッチャーイグナイターを使う決断を下すが、さすがに、ファイヤーガッチャードが相手では分が悪い、とミナト先生は戦略的な撤退を選択。この辺りに、改めて、ミナト先生の強さを感じ取れるな。
その戦いの後、宝太郎から、父が裏切り者扱いされたのは、グリオンによる悪質な記憶操作の所為、と知らされて安堵するりんねだが、続けて、宝太郎が告げた風雅の信念の強さは、彼女の迷いが渦巻く心へ、更なる衝撃を与えたようだ。ルールを破ってでも自分のルールを優先する、こう聞くと、法律や校則を無視した行動を取ってもいい、と悪解釈されそう。と言うか、そういう解釈をするのは、信念のない、ただのバカだろう。確かに、世の中のルールや常識は守るべきだが、それが権力を持つ者にだけ都合が良く、社会的な弱者を虐げ、より理不尽な搾取を強いるものならば、自分の「間違ったルールには屈さない」ってルールを適用して、それをぶっ壊してもいい、ぶっ壊すべきだ、と制作陣は訴えたいのかな?
まぁ、その辺りはさておき、今回、ファンの血を熱くさせたのは、そんなりんねのマジェードへの変身ですよ。これまで、どんだけ望んでも、りんねが変身できなかったのは、自分の中に何が何でも通したい筋を見い出せていなかったから。だけど、今、自分の前でアトロポスが傷付けられそうになっているのを見て、りんねは望んだ、守る力が欲しい、と。例え、それが敵であっても、自分と同じように友達を作る勇気を出せない少女なのだから、自分は守りたい、と。それが自分のルールだ、と彼女が覚悟を完了させた時、指輪に秘められていた力は、それに応えてくれた。「ユニコン」と「ザ・サン」の力が合成された姿、それが、仮面ライダーマジェード サンユニコーン。その戦闘力は、ケルベロスマルガムを圧倒し、見事に撃破する。命を救われながらも毒づいて、その場から去ったアトロポスだけど、この経験が、彼女にどんな変化を齎すのか、期待大だな。何より、女子高校生らしい我儘を振り撒くりんねは、実に可愛い!!