『黒狗』の小屋

毎週、(金)に特撮作品の感想、(日)に漫画の感想を書いてます。

三大特撮感想(2024/10/6分)

2024-10-11 21:20:38 | 日記

ウルトラマンアーク

第7話「満月の応え」は、これまでの回に負けない、もしかすると、これまでで一番、見ている大人に考えさせる内容になっている、と私は感じました。初代ウルトラマンから、ファンに訴えかけているテーマですが、本当に、「怪獣は問答無用で倒すべき害悪なのか?」からは目を逸らしちゃいけないですね。

昨今の現実世界でも、人々が直面している猛暑って問題を前置きにしてるのが、これまた、上手いんですよね。その猛暑の中でも、ユウマたち「SKIP」は仕事をしなきゃなりません。今回、ユウマたちが駆けつけた場所では、何故か、高温のお湯が火山地帯でもないのに噴き出しており、近隣の住民たちは、怪獣が関わっているのではないか、と不安がっていました。その予想は的中しており、地中から出現したのは、灼熱怪獣・ホムガー!! 焔の虎(タイガー)でホムガーなんでしょうね、きっと。

まぁ、そこはさておき、ホムガーは近場のガスタンクに穴をぶち開け、ガスを吸収し始めます。目的は謎であるにしろ、放置する訳にもいかない以上、ユウマはアークに変身し、ホムガーに立ち向かいます。最初こそ、アークに見向きもしなかったホムガーなんですが、食事の邪魔をしつこくされた事でカチンと来たようで、アークへ苛烈な攻撃を繰り出し始めます。何で、そんなに気が立ってるの!? と驚かされるんですが、その理由は後に明かされ、納得がいくものでした。この辺りのリアリティは大事ですよね。ホムガーの頭部へチョップを繰り出そうとしたアークでしたが、いきなり、謎の少女に「止めて」と叫ばれた事で攻撃を躊躇ってしまい、その一瞬が命取り。エネルギーを吸収され、ユウマは変身解除されてしまいます。受けたダメージで地面から起き上がれないユウマに浴びせられる、謎の少女からの厳しい言葉。

調査の結果、今回、出現した怪獣が、ホムガーである、と気付いた一同は、そのホムガーが大爆発したら、星元市が綺麗さっぱり消え去る、と言った結論に至り、大慌てで、一般人の避難を限られた時間の中で懸命に進めます。そんな中、謎の少女の声が頭から離れないユウマ。そんな彼の前に、三度、姿を見せた少女は、ユウマが予想した通り、ホムガーに関する伝承の内で実しやかに語られる精霊でした。彼女の言葉で、ホムガーが新たな命を宿している事実に直面するユウマ。自分の子を守りたいが故に、あれほどまでに荒々しい気性になっていたんですね、ホムガーは。

精霊少女の意見は尤も、しかし、ホムガーが命を繋ぐために大爆発を起こしてしまえば街が大勢の命ごと消し飛ぶ。一体、どうしたらいいんだ、と悩んでいる間もなく、選択の時を迫られながらも、アークに変身してホムガーに立ち向かうしかないユウマ。いよいよ、ヤバい、となった時、ユウマは母の言葉を思い出し、自然と、夜空に浮かぶ満月を見上げました。その刹那、ユウマの想像力は新たなスパークを起こし、この事態を打破、いえ、ホムガー母子を救う力を生み出します。ソリスアーマーと対を為す、それが、ルナアーマー。高速移動での戦闘を得意とし、同時に、怪獣の命を奪うのではなく救う事に特化した能力を持っていました。大爆発を起こしたホムガーを特殊なフィールドで包み、高熱と衝撃、爆炎を外に逃がさず、ホムガーの生まれ変わりを見事に助けました、ユウマは。疲労困憊の中で、自分のやり方が正しかったのか、を己に問いながら、ユウマはこの事実を未来にしっかりと継承する、と誓っていましたね。怪獣に限った事じゃなく、未知への恐怖は、正しい情報がないから。未来へのバトンをしっかりと繋いでいけば、きっと、大丈夫、と思いたいですよね。

 

爆上戦隊ブンブンジャー

バクアゲ32「地獄の電車ごっこ」、もう、これは、年齢関係なしで、特撮への愛を持って、シリーズを視聴し続けているファンからしたら、めっちゃ嬉しい展開と共闘でしたね。以前、「炎神戦隊ゴーオンジャー」がコラボしたので、てっきり、他の車系の戦隊、『高速戦隊ターボレンジャー』や『激走戦隊カーレンジャー』、ちょっと変わり種にしろ、『魔進戦隊キラメイージャ』が出るのかな、と予想していたんですが、まさか、『烈車戦隊トッキュウジャー』と絡んだもんですから、ホント、吃驚でした。

前回、正気を取り戻していたマッドレックスに見逃された玄幡さんは、単身でディスレースに挑みました。結果は、ズタボロの惨敗。ディスレースの「センスが足りない」ってのが正しいのか定かではないにしろ、今の彼には迷いが付きまとっているから、手も足も出なかったんでしょうね。そんな玄幡さんを救出したのが、焔斗。復讐心に囚われてしまっていて、玄幡さんは焔斗と衝突しちゃいます。そこに割り込んできた(?)人物を見て、そりゃ、もう、仰天しちゃいました。トッキュウ6号こと虹野明!!相も変わらず、妙にズレていて、なおかつ、真っ直ぐな部分に安心したのは、私だけじゃないでしょう。

焔斗と取らせた相撲の中で玄幡さんが溢した本心に、明は彼が、事情は違えど、かつての己と同じように、死に場所を得る事に固執している、と見抜きます。シャドーラインの怪人から正義の味方になった彼だからこそ、今の玄幡さんが抱えている迷いにも、理解を示せるんでしょう。憎い相手を倒せるなら死んでもいい、と思う一方で、自分がそんな戦い方をすれば哀しんでくれる者がおり、また、自分自身も、仲間の元に戻りたい、そんな気持ちを持っちゃってます、玄幡さん。自分の中で相反する感情や思念に板挟みになってしまっているからこそ、行動が自棄になってしまうってのは、実にリアル。

そんな折、センログルマーによって、多くの人が苦しめられる展開に。サブタイ通り、電車ゴッコそのものではあるんですが、私としては、『金のガチョウ』も連想しました。まあ、そこはどうでも良くて、射士郎、未来、錠さん、ビュンディー、明、そして、玄幡さんも、うっかりと巻き込まれちゃいます。あんな苦々しい袂の分かち方をしちゃったのに、こんな再会をしちゃうとは思わず、玄幡さんは凄い気恥ずかしそうでした。センログルマーを力技で止めれば、巻き込まれた人々ごと爆発しちゃうってんだから、洒落にならん。そんなピンチにブンレッドとブンバイオレットが手を拱いている時に、またしても、驚きの助っ人が!!・・・トッキュウ1号が出た時ぁ、もう、声が出ませんでした。ネタバレになっちゃいますけど、変身を解除して、ライト=志尊淳さんが顔を魅せてくれた時は、腰が抜けるかと思いました。

ピンチから大逆転するイマジネーションを発揮したトッキュウ1号と共に、センログルマーを撃破するブンレッドとブンバイオレット。こうやって、先輩戦隊と共闘する展開、嫌いなファンはいませんって。その上、トッキュウオーまで巨大戦に参じてくれたんですから、喜ぶなってのは酷です。ブンバイオレットが操縦法に苦戦した末に見せた解決策が、彼らしいってのも良かったですよね。見事に、巨大センログルマーを倒した仲間たちの姿に複雑な思いをより強める玄幡さんに、明がかけた言葉、これがまた、グッと来ます。果たして、玄幡さんは、自分の気持ちに折り合いを付け、再び、自分の握るべきハンドルを手に取って、光が当たる道に戻るって選択をしてくれるんでしょうか・・・

 

仮面ライダーガヴ

第6話「変身はビターチョコ」、もう、これ、展開が重すぎる・・・まだ、話数が一桁なのに、ここまでヘヴィーにしてくるか、制作陣・・・・・でも、こうゆうの、嫌いじゃないんだよな、私。

絆斗が、2号ライダーになるってのは予想しちゃいたけど、変身に到るまでの過程っつーか、仮面ライダーになるって覚悟を決める理由や心情の流れ、ここが令和らしくない、良い意味で。もはや、『仮面ライダー』シリーズのストーリーが子供向きじゃないってのは周知の事実にしろ、ここまで攻めているのは珍しいのでは?

いや、だって、1号ライダーであるガヴに変身するショウマに続き、絆斗も母親をグラニュート絡みで喪い、しかも、今回、荒んでいた自分に救いの手を差し伸べてくれた師匠の命が奪われてしまいました。その上、絆斗もマッドサイエンティストによって、肉体への改造を受けて、変身能力を得ました。ヒトプレスって描写を使っているにしろ、犠牲者が死んだことを如実に示し、なおかつ、変身機能を得るための手術シーンをガッツリやるってのは・・・良いのか、これ? けど、これでこそ、『仮面ライダー』なのか。これまでの仮面ライダーだって、それぞれに大きい悲しみを背負い、その苦しみを正義の力に転換して、理不尽な悪意から人々を陰で守っていた訳だもんな。

酢賀による改造手術で、グラニュートの内臓(?)を埋め込まれた絆斗は、もう、ボロボロ。それでも、師匠を殺したグラニュートへの怒り、まだ見つけていない母を自分の目の前で攫ったグラニュートへの怒り、そして、これまで多くの人々を自分の欲望の為に拉致し、闇菓子の材料にしてきた巨悪への怒りが、彼を突き動かします。ヴァレンへ変身する際に絆斗が苦しむ様を見せたのが、これまた、印象的でした。絆斗自身は喧嘩慣れしているんでしょうが、やはり、仮面ライダーとして戦うとなれば、そりゃ、勝手も違ってきます。だけど、ヴァレンは我武者羅に全力で、師匠の命を奪ったオタケに立ち向かっていきます。荒々しくも、冷静に現状を見極めて工夫する戦闘スタイル、もう、胸が熱くなります。

見事に、師匠の仇を討ったヴァレンですが、生まれたばかりの彼の戦いは、ここから始まります。グラニュートから人々を守り、闇菓子を製造し、世の中に蔓延させようとしている存在=ストマック家をぶっ潰したい、その目的は同じであるガヴと、どのように手を組んで戦うのか、楽しみな一方で、酢賀やニエルブの動向も気になるトコなんですよね。ぶっちゃけた話、どうして、オタケは絆斗の師匠である塩谷をピンポイントで狙ったんでしょう? グラニュートを研究している酢賀が襲われるなら、まだ理解できますけど、塩谷はグラニュートの存在を認知しつつも、重要度で言えば、低いでしょうに・・・となると、やっぱり、怪しいのは酢賀ですよね。絆斗を変身させる理由を作るべく、塩谷の命を奪った、と考える事も出来ませんかね? そして、酢賀とニエルブは繋がっている可能性もあります。仲間もしくは、酢賀がニエルブの生み出したエージェントなのか・・・もしかすると、エージェントではあるけど、主であるニエルブを上回るために、勝手な行動をしているのか? やはり、こっからの展開が楽しみですわッッ

コメント
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