目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「ゆれる」 ゆらゆらと・・・

2006年08月06日 | 映画タイトル や・ら・わ行
評判の映画を観てきました。

「ゆれる」 (2006年 日本)
英語のタイトルは「SWAY」だそうです。

主演のオダリギジョーが、珍しく(?)雄弁に宣伝し、
”家族””愛”について語っていたこの映画。
見終わった今、やっぱりあのオダギリ氏は 
テレビのこちら側の私たちを欺こうとしていたのかも、
なんて思ってしまった。

信じること、信じられること。
裏切ること、裏切られること。
奪うこと、奪われること。
許すこと、許されること。
弟であること、兄であること。

(パンフレット冒頭より)

逃れられない肉親の絆の中に流れる愛憎が
生々しい台詞と真に迫った表情で描かれる、
見ごたえある映画でした。

田舎を飛び出して、東京でカメラマンとして
活躍する弟(オダギリジョー)と
町に残って家業を手伝う兄(香川照之)。
そこで働く幼馴染の智恵子(真木よう子)。
母の一周忌で田舎に帰った弟は、久しぶりに
兄と智恵子の3人で風光明媚な渓谷に出かける。
そこで 智恵子が朽ちた吊橋から転落してしまう。
橋の上には兄がひとり・・・。

その智恵子の死をめぐり、兄が被告として裁かれる法廷劇が
繰り広げられる。
その過程で、兄弟はお互いの間の激しい確執に
向き合うことになる。

実直で真面目で、誰にでも好かれるイイ人の兄の
心の奥に隠された弟への思い、ままならない人生を
弟に向かって吐き出した時の痛さはリアル。
どういう言葉を投げつければ、相手を傷つけることができるか、
強いダメージを与えることが出来るかを知っていて
毒を吐き出したという感じでした。

対する弟も、兄に対するひけ目、愛情から
兄を救おうとするけれど、実は兄の言うように、
自分可愛さからのことだったのかもしれない・・・

いろいろな思いが交錯し、ゆれています。
あの兄の笑顔の後、どうなったのか。
少なくとも、弟はかつての、愛した兄を
取り戻したのだと思います。
グダ泣き顔の”にぃちゃーん”の呼び声が
まるで幼い少年のようでした。

オダジョー、いつもながら、彼にしかできない役を
本当にうまく演じきる人だなぁと思います。
またベッドシーンが生々しくてイロっぽいんだ。

そして香川照之さんも、ほんとうに上手い。
ちょっとした表情、笑顔、台詞の調子。
まさに兄ちゃんそのもの・・・。

2人の演技のぶつかり合いは瞬きできないほどでした。

監督・脚本の西川美和さん、弱冠32歳。
これからも楽しみです。
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24 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつ観るのかな、と構えておりました! (sabunori)
2006-08-06 23:56:11
kinoさん、TBありがとうございます。

コレをkinoさんが観ないワケはないな、思っておりました。

オダジョーをご満悦されたようで何より何より。

私はキム兄を堪能いたしました。

本当にこのタイトル「ゆれる」って絶妙ですよね。

英語のタイトルもあるんですね。

・・・っていうことは海外でも公開されるんでしょうか。

この監督の前作「蛇イチゴ」も要チェックだわ~。
返信する
あ、言い忘れましたが (sabunori)
2006-08-06 23:57:21
いただいたTB、「幸せのポートレート」に来ておりますです。

ま、別に構わないのでそのままにしておきまーす。
返信する
あー!! (☆kino)
2006-08-07 00:36:08
>sabunoriさん

あっ TB間違ってる・・・すみませんっ。

お手数ですが削除しておいてください(恥)



混んでるかと思ったら、それほどでもなかったのです。

みんな海でも行ってたのかなぁ。



キム兄の問い詰めもすごかったですよね。

ねちねち突いてきたかと思うと、

いきなり事務的口調で。



IMDbで調べてみましたが、まだ海外では

カンヌでしか上映されていないみたいで、

そのときの英語タイトルみたいです。
返信する
”ゆれる”ってむずむずするほどの題 (Cartouche)
2006-08-07 00:37:47
とらえどころのない兄弟の感情をひとつの事件によってくっきりと浮かびあがらせた手腕は、もう!素晴らしいですね。加えてこの題!。むずむずするほどいいです!!ラスト。はっきりしないけれど、またそれがいいような。悪いような。。

そうそう。ラブシーン。やたらリアルで恥ずかしくなっちゃいました。邦画だからか、彼がセクシーだからか??
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絶妙! (☆kino)
2006-08-07 07:52:47
>Cartoucheさん

こういう映画って、日本映画ならではなんだろうなぁと

思いました。なんていうんでしょう、心理描写というか

細やかな台詞というか、あの風景ともあいまって、

リアルに心に訴えてくる気がします。

うーん なにかもう一歩足りない感じはあるんですが

(エラそう(笑))、すごくよかったですね!

うんうん、ラブシーン照れます!!

日本映画だから、っていうのもあるんですかねぇ。
返信する
今晩は! (mezzotint)
2006-08-07 21:45:19
kinoさん

「ゆれる」大人気ですね大変な人で・・・こちらでは連日満員状態です仲のいい兄弟が事件をきっかけにドロドロ状態弟に対して不満・嫉妬をぶつける兄稔結局最後、弟猛は兄を売る・・・。感情のもつれが人の人生を変えるゆれるとは人生そのもの何か怖いですね・・・人の心って
返信する
私も見ました~。 (のら)
2006-08-07 22:08:11
私はどうも集中力がないので、映画を見てても

ぼっとしてしまうことがあるんですが・・この映画はず~っと集中してみてましたよ。すばらしかったです。本当に濡れ場がエロいですよね~オダジョー!

餃子記事も再度トラバいたしました。
返信する
集中! (☆kino)
2006-08-08 08:10:49
>mezzotintさん

肉親であればこその 愛憎がありますよね・・・。

同性の兄弟、怖いような羨ましいような。

オダジョと香川さんの演技も素晴らしかったです。

ラストが希望的なのも好きです。



>のらさん

ほんと、この映画、集中して見てしまいました。

この監督さん、興味深い人ですね。あんなにカワイイのに!

餃子記事、ありがとうです!美味しそう。
返信する
ゆ~らゆら (cherry)
2006-08-15 17:09:46
観終わってから、何回も思い出してしまいます。

香川さんの演技には翻弄されちゃうし、

オダジョーとのやりとりに目が離せませんでした。

ものすごく些細なセリフや演技も見落とせない感じで、

まさにゆらゆらしちゃいました。観てよかったです。



それに・・・ラブシーンは・・・えへへ♡



「蛇イチゴ」、TSUTAYAで探しても見つからないんです。

レンタルしてないのかなぁ・・・?
返信する
ひきずります (☆kino)
2006-08-17 00:46:10
>cherryさん

私も、いまだにふと思い出します。

西川監督の心の中に興味あります。



「蛇イチゴ」はなかなか見つからないみたいですね。

私は貸してもらえたので、近々みてみます!
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